2004 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症における至適ヘモグロビン値と腸管壁防御機構-ストレス応答酵素の役割
Project/Area Number |
14370495
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森崎 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60182226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 良文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70195733)
森田 慶久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10276983)
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Keywords | 敗血症 / 輸血 / 腸管壁防御機構 / ヘモグロビン / 内毒素血症 |
Research Abstract |
16年度においては、高・低ヘモグロビンラットの腸管粘膜微小循環動態を生体顕微鏡下で検討した。その結果、図に示すように正常ヘモグロビンラットの微小循環に比べ、高ヘモグロビンは毛細血管密度を含め微小循環が明らかに阻害される一方、低ヘモグロビンはほぼ正常に近い赤血球速度を含め微小循環ならびに毛細血管蜜度が維持されていた。内毒素血症モデルにおける高・低ヘモグロビンの影響を検討したところ、高ヘモグロビンラットでは内毒素血症に認める血流停止と再開を繰り返す現象(to and fro)をさらに増強した。一方、低ヘモグロビンラットは変化をきたさなかった。さらに一酸化窒素(nitric oxide ; NO)ドナーであるSodium nitroprusside (SNP)を表面灌流したところ、その血流は改善傾向を示し、NO合成酵素(NOS)阻害薬L-NAMEによりNOを抑制したラットにおいては、腸管粘膜微小循環血流はいずれの群においても著しく阻害された。これらの所見は、腸管粘膜におけるNOS誘導が高ヘモグロビンで高まる免疫染色所見と一致し、NOがヘモグロビン値による内毒素惹起性腸管粘膜透過性亢進に強く関与していることを示している。
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