2003 Fiscal Year Annual Research Report
意職障害患者の脳甦生リハビリの早期トランポリン運動と音楽演奏併用効果:科学的検証
Project/Area Number |
14370497
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小松 徹 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 燎 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (30257878)
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Keywords | 音楽運動療法 / 意識障害 / 能リハビリテーション / 心拍変動 / 自律神経活動 / 情緒・バイタルサイン / 脳波 |
Research Abstract |
脳血管障害や脳外傷後の重度の遷延性意識障害に対する脳甦生賦活またはリハビリ再生法としての音楽運動療法の意義を本年度購入の脳波・心拍リアルタイム装置(MemCalc/Meakin2,GMS社製)を用いて情緒バイタル指数を中心に医学的見地より検証した。 音楽運動療法に際して実施するトランポリン上下動はたとえ寝たきりに近い患者でも、介助下坐位で実施可能な運動で、廃用萎縮予防で早期から行える。今回の研究で交感神経活動度は全く変動なく安全で、意外にも副交感神経活動面での賦活効果が認められた。その上、情動面でも'うっとり心地よい気分'にさせていることが会話可能な患者やボランティア正常体験者の事後調査で分かっている。また別施設で実施した例で、パルスオキシメータで血中酸素飽和度が安静臥位時に93〜89%の患者が演奏下でゆったりしたトランポリン上下動を加えると、97〜99%と上昇することも経験している。また安静時には閉眼している意識障害患者が上下動と共に大きく両眼を見開き周囲をキョロキョロする仕草も、光トポグラフイでみると、障害側の前頭部で酸素需給面での活動がみられることから、二足歩行時と同様に脊髄を介する脳へのインパルスが平衡バランス感覚を呼び戻していることを推測させる。また同時に演奏される音楽は、この様な集中力誘発状態下(覚醒)では聴覚刺激として受け入れ易い。これら快感刺激が大脳辺縁系などの感情中枢の活性にもつながり、内分泌系に好影響を及ぼすものと考えらえる。左右脳波の変動はMakin-MemCale Systemで採取のうえ解析した。一方、心臓リズムの解析すなわち心拍変動の連続測定(自律神経活動度)をLRR-03/MemCalc Systemで併せて行い、得られた時系列数値を分析することで、これら重度の意識障害患者でも情緒・感情面の微妙な表現信号を発していることも含めて分析結果が得られた。音楽運動刺激が情緒バイタル指数を中心にした検討でも大脳辺縁系などの感情中枢の活性にもつながり、内分泌系に好影響を与えることが証明されたと考える。また、患者の無意識の応答信号としてのバランス指数を示す相関分布図からこうかん・副交感のバランスの良否の判定の有用性を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 後藤幸生, 小松徹, 野田燎: "脳甦生リハビリに有用な「認知・応答反応のバランス」の良否判定"日本集中治療医学会雑誌. 11. 225 (2004)
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[Publications] Komatsu T, Horiba K, Kandatsu N, Shibata Y, Wakao M: "Heart rate variability as an indicator of dynamics of cardiovascular system in patients after abdominal aortic surgery"Anesthesiology. 98. A590 (2003)
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[Publications] 洪 淳憲, 武田文秀, 栗本奈加子, 堀場 清, 小松 徹: "脳神経外科顕微鏡手術中に観察した超低周波数額域の心拍変動-物理的ウエーブレットを用いた解析"Journal of Anesthesia. 17. 327 (2003)
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[Publications] 後藤幸生, 小松 徹, 野口 宏, 野田 燎: "植物状態患者における各種刺激の認知応答信号モニタリングの重要性"日本集中治療医学会雑誌. 10. D1-34-1 (2003)
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[Publications] 後藤幸生, 小松徹, 堀場清, 中川隆: "心拍変動周波数解析時の標準周波数範囲外very highにも意味がある"日本周術期時間医学研究会誌. 5. 24-25 (2004)
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[Publications] 小松 徹: "これが時間医学だ"日本周術期時間医学研究会誌. 5. 10-11 (2004)