2003 Fiscal Year Annual Research Report
下部尿路閉塞に伴う過活動膀胱の発生に関する検討・部分的尿道閉塞ラットの基礎的研究
Project/Area Number |
14370500
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柿崎 秀宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10241324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60344470)
柴田 隆 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50292032)
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Keywords | 下部尿路閉塞 / 尿道閉塞 / 過活動膀胱 / 排尿筋過活動 / 排尿求心路 / グルタミン酸受容体 / C線維 |
Research Abstract |
1.部分的尿道閉塞後の下部尿路機能変化に対するC線維の脱感作の効果 カプサイシン及びレジニフェラトキシンはバニロイド受容体刺激薬で、全身投与により長期間にわたってC線維を脱感作する。カプサイシンあるいはレジニフェラトキシンの全身投与によりあらかじめC線維を脱感作した後に部分的尿道閉塞を作成したラットでは、脱感作していない閉塞ラットと比べて、膀胱容量と排尿閾値圧の増大を認めたが、排尿効率、最大排尿圧、排尿筋過活動には有意な変化がみられなかった。この結果より、C線維は部分的尿道閉塞後の排尿求心路の機能的変化に関与しているが、尿道閉塞後の排尿遠心路の変化や排尿筋過活動の出現には必須ではないと考えられた。 2.グルタミン酸受容体拮抗薬の反復投与の効果 尿道閉塞作成直前からNMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬(MK-801)を反復投与された部分的尿道閉塞ラットでは、MK-801非投与の閉塞ラットと比べて、膀胱重量の増加、排尿効率、最大排尿圧、排尿筋過活動には変化がみられなかったが、膀胱容量は有意に増加し、1回排尿量も有意に増加した。このMK-801の効果は偽手術ラット(非閉塞ラット)ではみられず、尿道閉塞モデルではNMDA受容体が関与した排尿求心路のneuroplasticityが起こると考えられた。 3.尿道閉塞後の排尿筋過活動に対するα_<1D>受容体遮断薬の効果 尿道閉塞後の排尿筋過活動はα_<1D>受容体に選択的に作用する薬剤の仙髄クモ膜下投与および骨盤内の動脈内投与により抑制された。従って下部尿路閉塞に伴う排尿筋過活動の発生には、仙髄レベルおよび末梢レベルのα_<1D>受容体の機能的亢進が関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Machino R, Kakizaki H, et al.: "Detrusor instability with equivocal obstruction : A predictor of unfavorable symptomatic outcomes after transurethral prostatectomy"Neurourology and Urodynamics. 21. 444-449 (2002)
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[Publications] Tanaka H, Kakizaki H, et al.: "Effect of preemptive treatment of capsaicin or resiniferatoxin on the development of pre-micturition contractions after partial urethral obstruction in the rat"Journal of Urology. 170. 1022-1026 (2003)
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[Publications] Tanaka H, Kakizaki H, et al.: "Effects of chronic blockade of N-methyl-D-aspartate receptors by MK-801 on neuroplasticity of the micturition reflex pathway after partial urethral obstruction in the rat"Journal of Urology. 170. 1427-1431 (2003)
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[Publications] 柿崎 秀宏: "下部尿路症状あるいは下部尿路通過障害とウロダイナミクス"Urology View. 1(4). 50-55 (2003)
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[Publications] 田中 博, 柿崎 秀宏: "排尿障害とalphal受容体/ラットBOOモデルに対するalphalブロッカーの効果"脳21. 6(2). 62-65 (2003)