2004 Fiscal Year Annual Research Report
尿路性器の求心性神経伝達におけるバニロイドとカンナビノイドの作用機序の解明-排尿障害、性機能障害に対する全く新しい治療薬開発の可能性-
Project/Area Number |
14370508
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 勇雄 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50252424)
深澤 瑞也 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (80252039)
神家満 学 山梨大学, 医学部附属病院, 助手
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Keywords | バニロイド / カンナビノイド / VR1とCB1 / 上皮型ナトリウムチャネル(ENaC) / 膀胱の求心性神経伝達 / Amiloride |
Research Abstract |
結果1. まずヒト前立腺組織(正常、前立腺肥大症、前立腺癌)、において、免疫組織化学、Reverse transcription/polymerase chain reaction(RT/PCR)法を用いてVR1とCB1の発現を調べた。その結果、VR1とCB1の発現は良性疾患組織の上皮では強く、悪性疾患組織の上皮では弱く発現していた。次に3種類の正常培養前立腺細胞(上皮、間質、平滑筋)および3種類の培養前立腺癌細胞株(PC3、DU145、LNCaP)におけるVR1とCB1の発現を定量的RT/PCR法によって調べた。DU145以外ではCB1の発現は悪性細胞で弱く、一方VRIの発現はすべてにほぼ同様であった。 結果2. 1)ヒトにおける検討:非閉塞状態のヒト膀胱上皮とOAB症状を呈するヒト前立腺肥大症患者の膀胱上皮を用いた。ENaCのサブユニットに対する抗体を用いた免疫組織学的検討によるタンパク質発現と、定量的RT/PCR法によるmRNA発現を調べた。 結果:ヒト膀胱におけるENaCのサブユニット(α、β、γ)のたんぱく質の発現を認めた。閉塞膀胱では非閉塞状態のヒト膀胱上皮と比較して、ENaCのサブユニットのmRNAの発現が著明に亢進していた(Urology.64:1255-1260,2004)。 2)ラットにおける検討(in vitro):非閉塞状態の雌ラット膀胱上皮と下部尿路不完全閉塞を作成した雌ラット膀胱上皮を用いた。ENaCのサブユニットに対する抗体を用いた免疫組織学的検討によるタンパク質発現と、定量的RT/PCR法によるmRNA発現を調べた。 結果:ラット膀胱におけるENaCのサブユニット(α、β、γ)のたんぱく質の発現を認めたが、閉塞膀胱と非閉塞状態のラット膀胱上皮とでは、ENaCのサブユニットのmRNAの発現に差がなかった。 3)ラットにおける検討(in vivo):膀胱内圧測定による排尿筋収縮力と排尿間隔について調べた。ENaCの阻害薬であるAmilorideの効果についても調べた。 結果:閉塞膀胱とは非閉塞状態の両者において、ENaCの阻害薬であるAmilorideは排尿筋収縮力には影響しなかったが、排尿間隔を著明に延長した。
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[Book] Incontinence2005
Author(s)
Abrams, P., Khoury, S., Wein, A.ed.
Total Pages
1000
Publisher
Health Publication Ltd.
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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