2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放能を持つ生体材料を使用した尿路再建方法の開発
Project/Area Number |
14370510
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 哲之 京都大学, 医学研究科, 助手 (70343225)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 新吾 京都大学, 医学研究科, 講師 (80322741)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324642)
賀本 敏行 京都大学, 医学研究科, 講師 (00281098)
|
Keywords | 膀胱 / 尿道 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 細胞外マトリクス / 徐放 / I型コラーゲン |
Research Abstract |
今年度の研究の結果、無細胞化した膀胱の細胞外マトリクスを塩基性線維芽細胞増殖因子bFGFの徐放担体として利用することが可能であることが、マウス皮下埋入実験により示された。bFGFの放出速度はマトリクスの生体内分解速度により規定されており、マトリクスの分解により材料上の増殖因子が放出されるものと推察された。この材料をマウス皮下に埋入したところ、bFGFの量に比例してマトリクス周囲に肉芽形成および血管新生が誘導され、その効果は3週間以上にもわたって持続した。 同じ材料をラット膀胱拡大モデルの膀胱修復材料として利用すると、bFGF容量依存性にグラフト内に新生血管を誘導し、術後4週目の時点でグラフトの収縮が有意に抑制された。 その徐放機序をさらに検討した結果、膀胱マトリクスを構成する様々な成分のうち、主成であるI型コラーゲン成分単独でも同様の徐放と生物活性が得られることが判明した。他の何種類かの細胞増殖因子についてもマウス皮下埋入モデルを用いて検討したところ、コラーゲンからの徐放が可能な増殖因子が複数認められた。以上の結果は、J Uro1に投稿中である。 以上の基礎実験にもとづいて、この徐放システムが利用可能な系を尿路系臓器と非尿路系臓器の両者で検討を開始している。膀胱拡大モデルにおいて、bFGF以外の因子の効果を検討するとともに、ウサギの尿道置換モデルの作製にも着手した。
|
Research Products
(1 results)