細胞増殖因子徐放能を持つ生体材料を使用した尿路再建方法の開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14370510
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 伊藤 哲之 京都大学, 医学研究科, 助手 (70343225)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 新吾 京都大学, 医学研究科, 講師 (80322741) ; 小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611) ; 田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371) ; 西山 博之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324642) ; 賀本 敏行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00281098)
• Keywords: 膀胱再生 / 膀胱平滑筋 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 細胞外マトリクス / 細胞増殖因子 / I型コラーゲン / 血管新生 / 徐放

Research Abstract

論文1)2)3)で、膀胱組織の修復足揚材料より細胞増殖因子を徐放するシステムを研究し、細胞外マトリクスの主要成分であるコラーゲンの細胞増殖因子制御機能を示した。
論文1)4)で、細胞増殖因子による平滑筋層再生制御の機序を研究し、通説を覆す観察が得られた。
1)細胞増殖因子徐放化した脱細胞マトリクスによる膀胱再生。(Journal of Urology 2003)脱細胞化膀胱マトリクス(BAM)が塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の徐放担体として機能し、bFGFを〓だBAMをグラフトとして膀胱をパッチ修復するとグラフト内に豊富な血管を誘導してグラフト〓縮が抑制された。
2)外因性細胞増殖因子の徐放担体としてのコラーゲン性材料(Biomaterilas, in press)論文〓でbFGF徐放を担うと予想されたヘパラン硫酸はBAMにほとんど存在しなかった。そこで純粋〓型コラーゲン材料とBAMとで6種類の増殖因子の結合と放出を比較した結果、そのprofileは〓完全に一致した。細胞外マトリクスによる増殖因子の貯蔵と放出には線維性コラーゲンが強く〓している可能性が示唆された。
3)I型コラーゲンはbFGFの貯蔵庫として機能し、血管新生をコントロールする(投稿中)各種〓的条件下において、I型コラーゲンとbFGFとの相互作用はbFGFの貯蔵に十分で、コラーゲン〓解に従ってbFGFはその生理活性を保ったまま放出された。これは重症虚血下肢治療入応用可能であると考えられる。
骨髄間葉系細胞の平滑筋への分化(投稿中)BAMにおける平滑筋層の再生機序を解明するため、膀胱の尿路上皮細胞と平滑筋細胞の条件培地で骨髄間葉系細胞の培養を行ったところ、平滑筋細胞の条件培地内において平滑筋マーカーを発現した。これは上皮が筋層を誘導するという従来の通説に反する結果となった。

Research Products

• [Publications] Kanematsu A, et al.: "Bladder regeneration by bladder acellular matrix combined with sustained release of exogenous growth factor"The Journal of Urology. 170. 1633-1638 (2003)
• [Publications] Kanematsu A, et al.: "Collagenous matrices as release carriers of exogenous growth factors"Biomaterials. 25. 4513-4520 (2004)
• [Publications] 山本新吾, 兼松明弘: "再生医療工学の最先端(筏義人監修)第5章胸・腹部6膀胱pp159-163"(株)シーエムシー出版(東京). 270 (2002)