2003 Fiscal Year Annual Research Report
同腫末梢血幹細胞由来高純化樹状細胞による腫瘍選択的抗癌免疫細胞治療
Project/Area Number |
14370520
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 芳正 東京医科大学, 医学部, 講師 (40266482)
並木 一典 東京医科大学, 医学部, 講師 (40256243)
吉岡 邦彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (60220589)
向井 清 東京医科大学, 医学部, 教授 (20190837)
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Keywords | 同種抹消血幹細胞 / 樹状細胞 / 癌特異抗原 / エピトープペプチド / 腫瘍選択的 / 免疫細胞治療 |
Research Abstract |
平成15年度は本研究実施の2年目にあたり、前年度より遂行していた末梢血単核球(PBMC)より誘導した樹状細胞(DC)に各種HLA拘束性エピトープペプチドをpulseした細胞免疫治療を膀胱癌、前立腺癌、腎細胞癌を対象に継続的に実施した。各癌種においても50%以上の腫瘍の縮小効果を認めた症例が存在し、本治療の有用性が確認された。新たな使用特異抗原の同定をSEREX (serologic identification of recombinant cDNA expression cloning)法にて行い、2種の膀胱癌に高い特異性を示す癌抗原が同定に成功し、さらにその抗原に対するHLA拘束性エピトープペプチドの作成も同時に実施した。 本研究の主目的である同様末梢血幹細胞よりの樹状細胞の誘導に関しては、磁気細胞分離システムの使用により、CD34陽性造血前駆細胞(造血幹細胞)の分離が85.3%の高純度で分離可能であり、本システムの導入により細胞調整の純度の効率化が計れることが明かとなった。 また、CD34陽性造血前駆細胞よりの樹状細胞の誘導に関する検討を進め、樹状細胞の増殖のためにはGM-CSF, SCF, TNF-αが、樹状細胞の成熟のためにはIL-4,interferon-αの追加が必要であることが判明した。さらに本培養条件における未成熟の樹状細胞を含むマーカーであるCD86の陽性率は45%であったが、成熟樹状細胞のマーカーであるCD83の陽性率は15%であり、実際の臨床応用にあたってはCD34陽性造血前駆財房よりの成熟樹状細胞のより高率的な誘導を検討中である。また、CD34陽性造血前駆細胞より誘導された樹状細胞が同種のドナーに与える影響を一卵性双生児とその親ならびに非血縁者とでリンパ球混合培養(MLC)と同様の方法により検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 橘 政昭: "Identification of bladder cancer antigens recognized by IgG antibodies of a patient with metastatic bladder cancer."Int J Cancer.. Feb 20:108(5). 712-724 (2004)
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[Publications] 橘 政昭: "Prognostic implication of microvascular invasion in biochemical failure in patients treated with radical prostatectomy."Urol Int.. 70(4). 297-302 (2003)
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[Publications] 橘 政昭: "泌尿器科癌に対する樹状細胞(dendritic cells ; DC)治療の現状と将来展望"腎臓. 187-196 (2003)
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[Publications] 橘 政昭: "癌転移・前立腺癌"日本臨床. 61巻増刊8号. 314-318 (2003)
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[Publications] 橘 政昭: "癌免疫細胞治療の現況と将来展望(造血幹細胞の癌免疫治療への応用)"再生医療(日本再生医療学会雑誌). 3巻増刊. 182 (2004)