2004 Fiscal Year Annual Research Report
同種末梢血幹細胞由来高純化樹状細胞による腫瘍選択的抗癌免疫細胞治療
Project/Area Number |
14370520
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 邦彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (60220589)
並木 一典 東京医科大学, 医学部, 講師 (40256243)
大野 芳正 東京医科大学, 医学部, 講師 (40266482)
向井 清 東京医科大学, 医学部, 教授 (20190837)
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Keywords | 同種末梢血幹細胞 / 樹状細胞 / 免疫細胞治療 / 腫瘍選択的 / 前立腺癌 / 膀胱癌 / 腎細胞癌 |
Research Abstract |
本研究は進行癌に対する低侵襲性かつ有効性の高い治療法の開発を目的として、血縁健常者末梢血幹細胞より成熟樹状細胞を誘導し、これを更に磁気細胞分離システムにより純化し、移植片宿主反応(GVHD)の原因となるT細胞系を主体とするドナーリンパ球を除去した上で移植することにより移植片宿主反応を最大限に抑制しかつ有効な抗原提示能を有する同種樹状細胞による免疫細胞治療の確立を目指すものである。 同種末梢血幹細胞よりの樹状細胞の誘導に関しては、磁気細胞分離システムの使用により、CD34陽性造血前駆細胞(造血幹細胞)の分離が85.3%の高純度で分離可能であり、本システムの導入により細胞調整の純度の効率化が計れることが明かとなった。また、CD34陽性造血前駆細胞よりの樹状細胞の誘導に関する検討を進め、樹状細胞の増殖のためにはGM-CSF, SCF, TNF-αが、樹状細胞の成熟のためにはIL-4,interferon-αの追加が必要であることが判明した。さらに本培養条件における未成熟の樹状細胞を含むマーカーであるCD86の陽性率は45%であったが、成熟樹状細胞のマーカーであるCD83の陽性率は15%であり、実際の臨床応用にあたってはCD34陽性造血前駆細胞よりの成熟樹状細胞のより高率的な誘導法を検討中である。また、CD34陽性造血前駆細胞より誘導された樹状細胞が同種のドナーに与える影響を一卵性双生児とその親ならびに非血縁者とでリンパ球混合培養(MLC)と同様の方法により検討中した結果、成熟樹状細胞は非血縁者末梢血リンパ球との間のrejection試験ではstimulation indexは3.6と同種リンパ球に比較して著しい反応が認められず、敢えて同種CD34陽性造血前駆細胞の必要性が無い可能性が示された。 以上の研究成果は前立腺癌に対する前立腺癌膜特異的抗原(PSMA)、メラノーマ抗原(MAGE-3)エピトープ・ペプチド等を負荷した、CD34陽性造血前駆細胞より誘導された樹状細胞が癌特異的細胞傷害T細胞の誘導し、その有効性が期待される結果を示すものであった。
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Research Products
(4 results)