2003 Fiscal Year Annual Research Report
母児接点におけるウイルスベクターを利用した遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14370526
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
麻生 武志 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60093176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 公一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90361708)
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20280969)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50126223)
|
Keywords | 母児接点 / 胎盤 / EVT / prothrombinase / FGL2 / HCMV / MHC class I / VT |
Research Abstract |
1.EVT-脱落膜相互作用を中心とする着床の分子機構の解明 この分野では、ヒト妊娠初期胎盤より分離培養した絨毛外栄養膜細胞(extravillous trophoblast, EVT)の初代培養を継続すると共に、実験の利便性を考えてinvasive phenotypeの不死化細胞株であるHTR-8/SVneoを入手し、並行して実験を行った。HTR-8/SVneoにおいてはprothrombinase (FGL2)の発現は認められず、またcytokine等によっても誘導されなかった。この点での初代培養EVTとの差異について、現在検討を行っている。 2.母児接点におけるウイルス感染機構の解明 この分野ではまず、human cytomegalovirus (HCMV)感染がEVTの機能に及ぼす影響についての研究をまとめ、以下のような内容の論文を発表した。(1)EVTはHCMV感染を高率に許容する。(2)HCMV感染はEVTのMHC class I発現を低下させない。(3)HCMV感染EVTにおいてはHCMVのUS2,US3,US6,US11遺伝子産物が小胞体から疎外され、MHC class I発現を抑制することが出来ない。(4)これらの結果から、HCMVはEVTを中心とする母児接点に高度に適応していることが示唆された。 また本研究計画の背景として、絨毛栄養膜細胞(villous trophoblast, VT)の分化がadenovirusやcoxsackie-virusの感染を阻止する方向に働くという知見が既に得られている。この機構について研究を進める上での利便性を考えて絨毛癌細胞株であるBeWoを入手し、その分化(合胞化)におけるL-arginine→NO, L-arginine→ornithine→polyamine等の各経路の関与について、現在検討を行っている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masakazu Terauchi et al.: "Placental extravillous trophoblasts persistently express class I major histocompatibility complex molecules after human cutomegalovirus infection"Journal of Virology. 77・15. 8187-8195 (2003)
-
[Publications] Peter O'Brien, Hideki Koi et al.: "Thrombin receptors and protease-activated receptor-2 in human placentation"American Journal of Pathology. 163. 1245-1254 (2003)