2003 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障関連遺伝子の解明・診断用DNAチップの開発と治療用ベクターの開発
Project/Area Number |
14370564
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 岳 東京医療センター, 主任研究員
大竹 雄一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30233159)
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80178003)
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Keywords | ミオシリン / オプチニューリン / 遺伝子多型 / 緑内障 / 遺伝子診断 / レニン・アンギオテンシン系 |
Research Abstract |
日本人の原発開放隅角緑内障(POAG)と正常眼圧緑内障(NTG)患者に対し、緑内障遺伝子OPTN遺伝子とMYOC遺伝子の解析を行った。POAG患者201名、NTG患者232名、正常コントロール218名から本研究の同意を取得後、採血・抽出したDNAを用い、各エキソン領域のスクリーニング(WAVE)を行った。OPTN遺伝子は、アミノ酸置換を伴うH26D(POAG患者1名),Leu47del(正常者1名),M98K,R545Qと、置換を伴わないT34T,P37P,T49T,H571Hの多型が検出された。M98KとR545Qは出現頻度で正常人と緑内障で差は無く多型であった。T34Tは、POAGおよび眼圧が16mmHg以上のNTGで、正常人に比べ出現頻度に有意差があった。MYOC遺伝子は4つの変異(I360N,A363T,F369L,T448P)と9つの多型が検出され、F369Lは新規変異であった。OPTN変異とMYOC変異の頻度は、0.2%(1/433)と2.9%(5/171)であった。OPTN変異は、日本人緑内障患者において非常にまれであったが、T34T多型が緑内障発症と関連していたことから、日本人においては緑内障発症の危険因子であった。MYOC変異の頻度はこれまでの報告と同様であった。 緑内障は高眼圧や循環障害等により視神経萎縮を来す疾患で、成人失明原因の第2位の疾患である。40歳以降の有病率は約4%で、推定200万人存在する。緑内障は遺伝的要因と環境因子が関与する多遺伝子疾患とされているので、その危険因子としてのSNPsを明らかにする。PCR-RFLP法を用いて、Case-control studyによりSNPsを検討した。検討した遺伝子多型は、1)レニン-アンギオテンシン系では、REN,ACE,AT1R、2)PT53、3)SOD3、4)GSTM1,GSTT1、5)NOS3、6)WRNである。対象は正常人170名(採血時平均年齢70.7歳)、開放隅角緑内障112名(平均年齢65.6歳)、正常眼圧緑内障123名(平均年齢59.6歳)である。9種類12SNPsの検討により、RENおよびGSTT1で統計学的に有意差がみられた。RENはイントロン多型(Mbo I多型)であり、開放隅角緑内障で変異型ホモ(TT)が正常人より少なかった。また、開放隅角緑内障で有意にGSTT1(+)が正常人より多かった。REN多型は緑内障発症と関連する可能性が示唆された。GSTT1は悪性疾患において、GSTT1(-)が有意に増加していると報告されているが、今回は反対の結果であった。緑内障患者において、GSTM1に対する自己抗体が報告されていることから、GSTT1(+)の増加と自己抗体産生との関連が想定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Izumi K, Mashima Y, Obazawa M, Ohtake Y, Tanino T, Miyata H, Tanaka Y, Iwata T.: "Variants of myocilin gene in Japanese patients with normal tension glaucoma."Ophthalmic Res. 35. 345-350 (2003)
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[Publications] Zhang Q, Mashima Y, Noda S, Imamura Y, Kudoh J, Shimizu N, Umeda S, Tanaka Y, Iwata T.: "Characterization of AOC2 gene encoding a copper-binding amine oxidase expressed specifically in retina."Gene. 318. 45-53 (2003)