2003 Fiscal Year Annual Research Report
導入遺伝子発現調節システムを用いた自己免疫疾患モデルマウスの確立
Project/Area Number |
14370584
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜田 聡 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (80301547)
坪田 一男 東京歯科大学, 眼科学, 教授 (40163878)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 疾患モデルマウス / ウイルス抗原 / シェーグレン症候群 / 唾液腺 |
Research Abstract |
本年度は自己トレランス破綻による自己免疫疾患病態形成のモデルとして、病態を詳細に再現した疾患モデルマウスの作出を行い、分子デザインされた導入遺伝子(ドミナントネガティブ)の発現を人為的にコントロール可能な種々のシステムを用い、免疫学的寛容状態の破綻機構の解明を行った。唾液腺特異的プロモーターLamaを用いタモキシフェンで制御するシステムにより組織特異的な遺伝子発現を試みた。導入遺伝子である転写因子CREB遺伝子の発現は病理組織学的に検討した。すなわち、F1を交配し作成した後、トランスジェニックマウスの各臓器における導入遺伝子の発現を薬剤で誘導する前と後にノーザン法で確認すると共にその蛋白発現をウエスタンブロット法で検出した。同様に全身臓器から組織切片を作成し病理組織学的な変化を観察した。導入遺伝子を発現させたマウスでは、薬剤で誘導後に明らかなCREBの発現を認め、更に導入したCREBのドミナントネガティブ効果により、唾液腺の機能障害が認められた。これらの現象が導入遺伝子であるCREBによるものか否かを明らかにするために、in vitroでCREBの唾液分泌能の与える影響を検討した結果、in vivoの現象に類似した分泌経路の障害が認められた。子の結果から、従来の遺伝子導入マウスでは発現遺伝子を増令的に発現することは不可能だったが、本システムにより導入遺伝子を老化したマウスに発現誘導させ、老化時に生じる病態の解明や免疫学的寛容の破綻の成立機序の解明に有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Araki, R. et al.: "Development of autoimmune Exocrinopathy"Arthritis & Rheumatism. 48. 3603-3609 (2003)
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[Publications] Takeda, I. et al.: "Possible role of Nitric Oxide"Radiation Research. 159. 465-470 (2003)