2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨の分化を制御する細胞接着因子カドヘリン-11、ペリオスチンの機能解明
Project/Area Number |
14370590
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (70178002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 啓司 徳島大学, 歯学部, 教授 (20262206)
竹下 淳 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (50263009)
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Keywords | ノックアウトマウス / 頭蓋骨発生 / N-カドヘリン / カドヘリン-11 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
我々は、骨芽細胞を含む各種間葉系細胞株におけるカドヘリンスーパーファミリーの発現様式をRT-PCRにより検討した。その結果、骨芽細胞はN-カドヘリンとカドヘリン-11を発現していることがわかった。免疫組織染色およびRNA in situ hybridizationによる解析では、マウス胎生16.5日頭蓋骨組織周辺の骨芽細胞前駆細胞および骨芽細胞は、N-カドヘリンとカドヘリン-11を発現していた。また、骨芽細胞前駆細胞株MC3T3-E1では、N-カドヘリンとカドヘリン-11は細胞間接着部位に局在していた。この結果は、骨芽細胞前駆細胞では二つのカドヘリンが共にアドヘレンスジャンクションを形成していることを示している。 次に、カドヘリン-11の骨芽細胞分化における機能を調べるため、カドヘリン-11ノックアウトマウスの頭蓋骨発生について解析した。-/-マウスでは、予定前頭骨縫合線間充織に通常では起こり得ない異所的な島状骨が認められた。これは、縫合線間充織が未分化性を維持できず、骨芽細胞へと分化してしまったためであると考えられた。また-/-マウスでは、左右の前頭骨間が+/+マウスに比較して大きく広がっており、骨芽細胞マーカーであるオステオポンチンの発現が減少していた。この結果は、骨芽細胞前駆細胞から骨芽細胞への分化が遅延したことを示している。 N-カドヘリンとカドヘリンー11の二つのカドヘリンが発現することの意味を調べるために、二つのカドヘリンを発現させた繊維芽細胞株L-N-cad/Cad-11を作製し解析した。これらの細胞は細胞間接着能力を有しており、更に細胞密度依存的なALP活性を示した。遺伝子発現をRT-PCRにより調べた結果、ALP、FGFR2の発現上昇が認められた。ALP、FGFR2の頭蓋骨発生での発現様式はN-カドヘリンとカドヘリン-11のそれに酷似しており、in vivoにおいても二つのカドヘリンによる細胞間接着は、ALP、FGFR2の発現を誘導していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kato, I.Takai, T.Kudo, A.: "The pre-B cell receptor for apoptosis is nagatively regulated by FcγRIIB"J.Immunol. 168. 629-634 (2002)
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[Publications] Oshima, A., TanabeH., Yan, T., Lowe, G.N., Glackin, C.A., Kudo, A.: "A nobel mechanism for the regulation of osteoblast differentiation : Transcription of periostin, a member of the fasciclin I family, is regulated by the bHLH transcription factor, Twist"J.Cell.Biochem. 792-804 (2002)
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[Publications] Kaji, K., Oda, S., Miyazaki, S, Kudo, A: "Infertility of CD9-deficient mouse eggs is reversed by mouse CD9, human CD9, or mouse CD81 ; Polyadenylated mRNAinjection developed for molecular analysis of sperm-egg fusion"Dev.Biol.. 247. 327-334 (2002)
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[Publications] Arai, S., Amizuka, N., Azuma, Y., Kudo, A.: "OCRA, a novel molecule on mouse stromal cells, regulates osteoclastogenesis"J.Bone Miner.Res. (in press). (2003)
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[Publications] Nagaya, M., Inohaya, K., Imai, Y, Kudo, A.: "Expression of zisp, a DHHC zinc finger gene, in somites and lens during zebrafish embryogenesis"Mech.Dev.. (in press). (2003)
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[Publications] Kanazawa, K., Azuma, Y., Nakano, H., Kudo, A.: "TRAF5 functions in both RANKL-and TNFα-induced osteoclastogenesis"J.Bone Miner.Res.. (in press). (2003)