2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨の分化を制御する細胞接着因子カドヘリン-11、ペリオスチンの機能解明
Project/Area Number |
14370590
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (70178002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 啓司 徳島大学, 歯学部, 教授 (20262206)
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Keywords | ノックアウトマウス / 頭蓋骨発生 / カドヘリン-11 / 骨芽細胞 / ペリオスチン / メカニカルストレス |
Research Abstract |
我々は成体において、歯根膜、骨膜に特異的に発現する分子量約90kDの分泌蛋白をペリオスチンと名付け、メカニカルストレスに関与する分子として、その発現と機能解析を行ってきた。ペリオスチンはβigh-3と共にファシクリンIファミリーに属し、4つのリピートドメインを有するなど特徴的な構造をしている。In-vitroの実験ではペリオスチンは他のファシクリンIファミリー同様、骨芽細胞の接着・伸展を支持し、in-vivoでは歯根膜に人工的なメカニカルストレスを与えると発現が増加することが明らかになっている。このペリオスチンの転写制御機構として、HLH型の転写因子で頭蓋骨形成に関与しているTwistがペリオスチンプロモーターに結合し制御していることが明らかになっている。また蛋白レベルの研究として、ペリオスチンはCCNファミリーの1つであるNOVおよびNotch1と3分子複合体を形成することも最近明らかにされた。 我々はこのペリオスチンの機能を特定するためにノックアウトマウスを作成し、そのフェノタイプを解析した。その結果、胎児期にはその異常は観察されないが、12週令では、歯根膜の改変異常が見られ、その結果、歯が放出できなくなり、エナメル質が異常をきたしていることが明らかになった。この驚くべき結果はメカニカルストレスに応答できないマウスの作成に成功したことを意味している。 次に、ゼブラフィッシュペリオスチンをクローニングし、硬骨魚類での機能を検討した結果、ゼブラフィッシュペリオスチンはやはりメカニカルストレスの応答に関与している筋膜に発現し、モリフォリノノックダウンにより、筋膜形成異常が見られた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kaifu, T., Nakahara, J., Inui, M., Mishima, K.et al.: "Osteopetrosis and thalamic hypomyelinosis with synaptic degeneration in DAP12-deficient mice."J.Clin.Invest.. 111. 323-332 (2003)
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[Publications] Kashima, T., Nakamura, K., Kawaguchi, J., Takanashi, M., Ishida, T., Aburatani, H., Kudo A.et al.: "Overexpression of cadherins suppresses pulmonary metastasisi of osteosarucoma in vivo."Int.J.Cancer. 104. 147-154 (2003)
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[Publications] Hirose, Y., Suzuki, H., Amizuka, N., Shimomura, J., Kawano, Y., Nozawa-Inoue, K., Kudo, A., Maeda T.: "Immunohistochemical localization of periostin in developing long bones of mice."Biomedical Res.. 24. 31-37 (2003)
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[Publications] Arai, S., Amizuka, N., Azuma, Y., Kudo, A.: "Osteoclastogenesis-related antigen, a novel molecule on mouse stromal cells, regulates osteoclastogenesis."J.Bone Miner.Res.. 18. 686-695 (2003)
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[Publications] Hirokawa, S., Sato, H., Kato, I., Kudo A.: "EBF-regulating Pax5 transcription is enhanced by STAT5 in the early stage of B cells."*Eur.J.Immunol.. 33. 1824-1829 (2003)
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[Publications] *Wilde, J., Yokozeki, M., Terai, K., Kudo, A., Moriyama, K.: "The divergent expression of periostin mRNA in the periodontal ligament during experimental tooth movement."Cell & Tissue Res.. 312. 345-351 (2003)
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[Publications] 梶圭介, 工藤 明: "感染・炎症・免疫"貪食作用における細胞骨格のダイナミックスとFcγR. (2002)