2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370601
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90256678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
荒川 真一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (20302888)
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Keywords | Tannerella forsythensis / Actinobacillus actinomycetemcomitans / cellular toxicity / Cytolethal distending toxin(Cdt) / Cytocidal toxin / p53 / monoclonal antibody / ELISA |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに単離・同定したTannerella forsythensis (Bacteroides forsythus)の殺細胞因子遺伝子からの組換えタンパク質を調整し、その細胞傷害活性を確認した。また当該タンパク質を抗原としてELISA法による抗体の検出を試みた。一方、Actinobacillus actinomycetemcomitans serotype (a)からcdtB構造遺伝子(Aaa-cdtB)を単離し、塩基配列を決定してすでに報告されているA. actinomycetemcomitans serotype (b)のcdtB構造遺伝子(Aab-cdtB)と比較した。 (1)昨年度までに遺伝子を単離したT. forsythensisの殺細胞因子(TfCCT)を、in vitroタンパク質発現システム(PURESYSTEM^<TM>)で調製し、ヒト口腔上皮がん細胞株KBに投与して細胞傷害活性を調べた。その結果、TfCCT遺伝子を含むORFに認められる開始コドンのうち、1番(ribosome binding sequence (RBS)無し)、5番(RBS有り、prtH proteaseの開始コドンとされたATG)、8番(RBS有り)から組換えタンパク質を発現させた場合に細胞傷害活性を認めた。またこれら組換えタンパク質では、5番の開始コドンから翻訳されたものが最も強い細胞傷害活性(標的細胞におけるp53タンパク質レベルの上昇誘導)を示した。 (2)in vitroタンパク質発現システムでは、組換えタンパク質の調製量が微少である上に経済的に高価で、十分な解析ができない。そこで大腸菌に組換えタンパク質を発現させる目的で種々のTagを付加して検討した。その結果、TfCCTではN-末端側にHis-tagやS-tag、DsbA^<TM>-tagを付加した場合は大腸菌での発現を全く検出できなかったが、C-末端側にStrep-tagを付加すると大腸菌で十分な発現が得られることが分かった。 (3)C-末端側にStrep-tagを付加したTfCCTを大腸菌によって調製し、ELISAプレートに固定して抗TfCCT抗体を検出するためのELISAシステムを構築した。抗Strep-tagモノクローナル抗体、抗TfCCTモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ培養上清を用いてタイトレーションを行い、100ngの粗精製抗原をプレートに固定したとき、20ngの抗体を検出できることが分かった。このシステムを用いて抗TfCCTモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを再クローニングすると共に、ELISAシステムの高感度化を目的として条件を検討中である。 (4)A. actinomycetemcomitans serotype (a)の抽出液に認められる殺細胞活性をDEAE-Sepharoseで分離したところ、典型的なCdt様活性であった。そこでA. actinomycetemcomitans serotype (b)で報告されたCdtB遺伝子(Aab-cdtB)の配列を参考にプライマーを合成し、PCR法でA. actinomycetemcomitans serotype (a)のcDNAライブラリーからAaa-cdtB遺伝子を分離した。塩基配列上でAaa-cdtBはAab-cdtBと2箇所異なるものの、アミノ酸配列は同一であった。 (5)TfCCTと同様にAaa-CdtBタンパク質をC-末端にStrep-tagを付加した組換え体として大腸菌から調整し、抗Aaa-CdtBモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの再クローニングとELISAシステムの構築を継続中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishikura H, Arakawa S, Nakajima T, Tsuchida N, Ishikawa I: "Cloning of the Tannerella forsythensis (Bacteroides forsythus) siaHI gene and purification of the sialidase enzyme"Journal of Medical Microbiology. 52. 1-7 (2003)
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[Publications] Fukuyo Y, Mogi K, Tsunematsu Y, Nakajima T: "E2FBP1/hDrill modulates cell growth through downregulation of promyelocytic leukemia bodies"Cell Death and Differentiation. 11(March 12)(Advanced on-line press). 1-3 (2004)