2004 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏症の分子基盤の解明とそれに対する新規の治療戦略
Project/Area Number |
14370620
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
今村 隆寿 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20176499)
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / DNAマイクロアレイ / IP6K-1 / 発症メカニズム |
Research Abstract |
昨年までの研究結果から、歯髄細胞培養系および歯肉線維芽細胞培養系においてinositol hexakisphosphatase (IP6K)-1が炎症反応の急性期に強く発現していることが明らかになった。そこで、本年度は昨年度までに作成したIP6K-1 Plasmidを用いて歯髄細胞、歯肉線維芽細胞、およびHela細胞に導入し、IP6K-1過剰発現細胞の性質をアポトシスとInterleukin(IL)-8のエキソサイトーシスを指標にして検討した。まず、歯髄細胞および歯肉線維芽細胞への導入を試みたが、導入効率が極めて悪く、その効果を検討することができなかった。そこで次に、Hela細胞への導入を試みた。その結果、IP6K-1 Plasmidが高効率にHela細胞へ導入されたこと、また同細胞内で過剰に発現していることが確認されたことから、Hela細胞を用いて実験を行った。その結果、IP6K-1を導入したHela細胞では過酸化水素によるアポトシスの誘導が有意に強く抑制ようされた。さらに、同細胞ではリポ多糖(LPS)およびTNF-αによるIL-8のエキソサイトーシスが非導入細胞に比べて有意に増強された。以上の結果から、IP6K-1は細胞の生存に関わる分子であること、また歯髄および歯肉炎症反応にも関わっていることが示唆された。
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