2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞への分化で発現する遺伝子の導入細胞を用いた顎骨再生療法の開発
Project/Area Number |
14370622
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 貴生 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90002229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
横山 敦郎 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (20210627)
山本 悟 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (10344524)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 骨芽細胞 / DNAマイクロチップ / 遺伝子発現 / デキサメサゾン |
Research Abstract |
初年度である本年度は,ラット骨髄からの骨髄幹細胞の採取,初代培養デキサメサゾンを用いた誘導,誘導細胞のハイドロキシアパタイト(HAP)上での培養および同系ラットへの移植さらにDNAマイクロチップを用いたデキサメサゾン誘導の遺伝子発現に対する影響を検索した. 生後8週齢のフィッシャー系雄性ラットを実験動物として用い,Maniatopolusの方法に準じて,大腿骨から骨髄の細胞を採取した.15%FBSを含むα-MEM培地で初代培養後,ディッシュに付着した細胞を骨髄幹細胞として分離した.この細胞をデキサメサゾンおよびβグリセロフォスフェイトを含む培地で誘導した場合と,これらを含まない培地を用い誘導しない場合に分け培養した.デキサメサゾンで誘導した場合には,細胞は結節を形成し,高いアルカリフォスファターゼを示すとともに細胞周囲に形成された基質の石灰化が観察され,オステオカルシンも検出された.これらのことから,骨髄幹細胞がデキサメサゾンにより骨芽細胞へ誘導されたことが示唆された.またこの細胞をHAP上で3週間培養した後,同系ラットの皮下に4週間埋入したところ,HAP気孔内に骨形成が認められた. デキサメサゾンで誘導した場合としない場合のおのおのについて,培地を1週間に3回換えながら3週間培養後,細胞を回収しRNAを抽出した.抽出したRNAを用いて,DNAマイクロチップにて遺伝子の発現を分析した.結果の詳細については分析中であるが,現在のところいくつかの骨関連タンパクの遺伝子の発現に差違が認められた.
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