2003 Fiscal Year Annual Research Report
おいしく食べるための脳機能 -ポジトロンCTによる解明
Project/Area Number |
14370625
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 雅彦 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60195211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
高津 匡樹 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (50343033)
岩松 正明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30343031)
|
Keywords | 咀嚼 / 味覚 / ポジトロンCT / 高齢者 / 脳機能 / 顎筋活動 / 味覚障害 / 統合機能 |
Research Abstract |
下顎運動時における各咀嚼筋内部の局所ならびに筋全体の活動と脳の活動様相をFDG-PETを用いて解明し、咀嚼筋活動と脳活動の正常像を明らかにすることを目的に以下の実験を行った。被験者は、歯の欠損や顎口腔系の機能異常とその既往を認めない正常有歯顎者で、全身的にも健常な25歳から29歳、平均年齢27.0±1.5歳の若年成人男性8名とした。標識薬剤には、FDGを38.5±5.6MBq(1.04±0.15mCi)用い、FDGを肘静脈より投与すると同時に、被験者に負荷課題として下顎左側方運動を開始させ、1Hzで30分間行なわせた。この時、咬合力は出来るだけ排除し、軽く滑らせる様に指示した。PET撮影は、SET2400Wの3Dモードで頭頚部2断面、Emission scanは1断面につき450秒行い、Transmission scanはその前後に1断面につき450秒行った。画像再構成はOSEMにて行った。PET撮影とは別に、GE社製、SIGNA MR/I 1.5T Hi Speed、SPGR法にて頭頚部領域のT1強調MRI画像を撮影した。画像分析では、PET-MRI Toolsを用いてPET画像に対してRegistrationしたMRI画像上で筋全体のROIを設定し、それをPET画像に対して適用した。各咀嚼筋のROI内の平均PETカウントからSURを算出し、FDG集積の違いを明らかにするために一元配置分散分析を行なったところ、等分散性が仮定できなかったことから、Games/Howell法にて多重比較検定を行なった。結果の一例として、ある被験者では、右側の外側翼突筋の停止側には特に高い集積が見られ、右側の内側翼突筋にも集積が見られたが、咬筋および側頭筋ではあまり強い集積は観察されなかった。全被験者でみると、局所的な集積の分布は個人差が大きく、各被験者はそれぞれ固有の活動を示すことが明らかにされた。
|