2003 Fiscal Year Annual Research Report
高脂血症治療薬の応用による顎顔面領域の骨誘導に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14370638
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (60159150)
伊山 愼二 九州大学, 大学病院, 助手 (30315098)
鮎川 保則 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50304697)
|
Keywords | スタチン / 硬組織 / 破骨細胞 / チタン |
Research Abstract |
平成15年度は、高脂血症治療薬であるスタチンの骨形成能について検討するため、1.スタチンの人工的骨欠損部の治癒に対する効果、および2.スタチンのインプラント周囲骨の治癒に対する効果について検討した。 1.スタチンの人工的骨欠損部の治癒に対する効果 ここでは、ラットの骨に人工的に作製した骨欠損にスタチンを応用したときの効果について検討した。具体的には、6週齢ラット脛骨に直径2mmの骨欠損部を作製し、骨欠損部にスタチンを注射によって直接投与した。スタチンは2種類の濃度を規定し、3日連続注射後、骨欠損部を5,10日目に観察した。また、破骨細胞の分布を観察するために、破骨細胞特異的なTRAP染色をおこなった。 その結果、いずれの群においても欠損部の骨性治癒が図られていたが、スタチン投与群では特に破骨細胞の形成が有意に抑制されており、欠損部骨形成の促進が示唆された。この結果は、来年度国際学会にて発表予定であり、演題提出中である。 2.スタチンのインプラント周囲骨の治癒に対する効果 ここでは、スタチンのインプラントの骨接触率の向上の可能性について検討した。具体的には、12週齢ラット脛骨に直径1mmのチタンインプラントを埋入し、スタチンを腹腔内投与した。埋入部を28日目に観察し、新生骨の骨接触率を測定した。その結果、スタチン投与は、チタンインプラント周囲の新生骨形成を著しく促進することが明らかになった。以上のことは、国際学会にて発表し、国際誌に投稿、受理された。
|
Research Products
(1 results)