2002 Fiscal Year Annual Research Report
従来の数倍の接着強度を有する歯科用接着システムの試作と臨床応用
Project/Area Number |
14370641
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 卓男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40113584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 浩忠 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20274855)
南 弘之 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50244257)
鬼塚 雅 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (80038877)
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Keywords | 高強度接着 / 高強度接着試験片 / 剪勇断凝集強度 / メタルエポキシ樹脂 / フェノールコンパウンド樹 / 接着プライマー / ボンディング剤 / Co-Cr合金 |
Research Abstract |
歯科用接着システムの進歩は,操作性と接着耐久性の向上に関して行われてきた。しかし,接着強度の面での改善が計られていないため,接着面積の拡大や被着体の厚さ増大などによる臨床応用上の諸問題の解決は困難である。この状況打破の最短アプローチが高強度接着システムの開発である。 研究初年度の本年は,凝集強度が高い接着層の実現を目指した。接着剤基材として適切な高強度高分子材料として,メタルエポキシ樹脂およびフェノールコンパウンド樹脂の応用を検討した。その結果,圧縮剪断凝集強度が,従来のアクリル系やコンポジット系接着性レジンの1.7〜2.1倍に層する接着剤層を実現できる可能性が見いだされた。 また,これらの接着基材層と,被着体表面に塗布した接着性プライマー層の結合方法の検討も本年の重要な課題であった。チオン/チオール系貴金属接着プライマーとメタルエポキシ樹脂やフェノールコンパウンド樹脂の結合強度はきわめて低く,改善のためにはボンディング剤の介在が必要と思われた。このため,来年度において実際に接着試験片を試作する際には,被着体として予定していた金属合金に変えて,当面は高Cr含有(32wt%)Co-Cr合金を採用することとなった。これは,高Cr含有Co-Cr合金用接着プライマーとして効果的なMDPプライマーは,メタルエポキシ樹脂やフェノールコンパウンド樹脂との結合強度が比較的高いことが明らかとなったためである。しかし,結合強度はチオン/チオール系プライマーよりは高いものの,今回の研究目的にはまだ十分とは言いがたいのが実状である。この点については来年度も継続的に検討することが必要である。
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