2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370648
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50226114)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正起 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60312071)
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00277592)
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
|
Keywords | 咀嚼運動 / 主咀嚼側咀嚼時 / 非主咀嚼側咀嚼時 / 脳内血流 / 近赤外分光装置 |
Research Abstract |
最近、近接した領野を相互に干渉することなく、皮膚表面下50mmまでの範囲を測定できる2チャンネル近赤外線酸素モニタが開発され、大脳皮質の異なる領野の同時記録が可能になった。そこで、本研究は、咀噛運動と脳内血流量との関係を明らかにする目的で、健常者の主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼時の脳内血流量の変化を分析した。 被験者は、全身および咀嚼系に臨床的な異常が認められない20歳代の健常者20名(男性10名、女性10名、平均年齢24.8歳)を選択した。実験は、被験者に中等度の開閉口運動、舌運動(突出)、タッピング運動を行わせた。次いで、チューインガム1枚を1分間咀嚼させたときの咬筋筋活動を日本光電社製多用途計測装置RM-6000、また両側の脳内血流を浜松ホトニクス社製近赤外分光装置NIRO-300を用いて同時記録した。分析は、はじめに開閉口運動、舌運動、タッピング運動時の咬筋筋活動と脳内血流の変化を観察した。次いで、咀嚼前(安静時)、咀嚼中、咀嚼終了1分後、2分後、3分後、4分後、5分後の各1分間における脳内血流量の変化を調べた後、脳内血流の変化量について、主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼時との間で比較した。 咬筋筋活動と脳内血流は、開閉口運動と舌運動では、咬筋筋活動が変化せず、脳内血流が増加したが、タッピング運動では、逆に咬筋筋活動が増加したが、脳内血流が変化しなかった。チューインガム咀嚼時の脳内血流は、主咀嚼側咀嚼時、非主咀嚼側咀嚼時ともに増加したが、咀嚼後に減少し、咀嚼前の状態に回復した。また、脳内血流の増加は、主咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼時よりも大きく、咀嚼側間に有意差が認められた。これらのことから、咀嚼により、脳が活性化されること、またそれは、主咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼時よりも強い可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)