2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370648
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (50226114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00277592)
横山 正起 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60312071)
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Keywords | 咀嚼運動 / 脳内血流 / 近赤外分光装置 / 食品の硬さ / 食品の味 |
Research Abstract |
最近、近接した領野を相互に干渉することなく、皮膚表面下50mmまでの範囲を測定できる2チャンネル近赤外線酸素モニタが開発され、大脳皮質の異なる領野の同時記録が可能になった。そこで、本研究は、食品の硬さや味の違いが咀嚼時の脳内血流に及ぼす影響を明らかにする目的で、健常者に硬さと味の異なるグミゼリーを咀嚼させた時の脳内血流について分析した。 被験者は、20歳代の健常者20名(男性10名、女性10名)を選択した。実験は、硬さの異なる4種類のグミゼリー(ゼラチン含有量5%、6.5%、8%、9.5%)と味の異なる3種類のグミゼリー(甘い、普通、苦い)を被験者に主咀嚼側で20秒間咀嚼させた時の両側の咬筋筋活動を日本光電社製多用途計測装置RM-6000、また両側の脳内血流を浜松ホトニクス社製近赤外分光装置NIRO-300を用いて同時記録した。分析は、咀嚼前(安静時)、咀嚼中(咀嚼開始10秒後)、咀嚼終了5分後の3セッションの各10秒間における両側の脳内血流量の平均値の変化を調べた後、脳内血流量の変化量について、比較した。 脳内血流は、いずれのグミゼリーでも咀嚼中に有意に増加し、咀嚼終了後に減少し、咀嚼前の状態に回復する傾向を示した。脳内血流量は、硬さの違いでは、ゼラチン含有量5%が最も少なく、6.5%、8%、9,5%の順に多くなり、各グミゼリー間に有意差が認められた。また、味の違いでは、苦いグミゼリー咀嚼時が最も少なく、甘いグミゼリー咀嚼時、普通のグミゼリー咀嚼時の順に多くなり、普通のグミゼリー咀嚼時と苦いグミゼリー咀嚼時、甘いグミゼリー咀嚼時との間にそれぞれ有意差が認められた。これらのことから、脳内血流は、咀嚼運動によって増加すること、また食品の硬さや味の違いは、脳内血流の変化の大小に影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Products
(2 results)