2003 Fiscal Year Annual Research Report
IL-18によるNK活性化と腫瘍細胞のアポトーシス誘導:頭頸部腫瘍治療への応用
Project/Area Number |
14370655
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋元 亘 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (30323033)
森川 秀広 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60302155)
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Keywords | IL-18 / 抗腫瘍効果 / NK細胞 / IFN-γ / アポトーシス / 樹状細胞 / innate immunity / specific immunity |
Research Abstract |
我々はこれまでに、IL-18の抗腫瘍効果メカニズムについて、マウスの系およびヒトの系を用いて解析した。その結果、マウスの系においては、エフェクター細胞がNK細胞であること、IL-18がNK細胞を活性化し腫瘍細胞をアポトーシスに陥らせる結果、樹状細胞を介して効率良く腫瘍特異的CTLを誘導することなどを明らかにした。また、ヒトでのIL-18の抗腫瘍効果を調べた結果、ヒト末梢血中にCD3-CD56+(NK)細胞が著明に増加すること、そしてその培養液中に多量のIFN-γ産生が認められることが分かった。また、IL-18により活性化されたリンパ球が腫瘍細胞に対してアポトーシスを誘導するかどうかを検討した結果、IL-2単独で培養した場合と比べてIL-18+IL-2で培養したとき、腫瘍細胞のアポトーシスが増強されることが明らかになった。さらに、IL-18で刺激培養したリンパ球のmRNAを抽出し、アポトーシス関連蛋白の発現をRT-PCR法により検索したところ、TRAIL,FasLの発現増強が顕著に認められ、ヒトの系におけるIL-18の抗腫瘍効果はTRAIL,FasLなどの蛋白を介したアポトーシスが大きく関与していることが明らかになった。 そこで、平成15年度は、実際に口腔癌患者から末梢血細胞の採取を行い、IL-18に対する反応性の変化について検討を開始した。現在我々は、口腔癌治療において、術前化学療法と手術の併用を多用している。IL-18の臨床応用を考えた場合、術前化学療法による骨髄機能の低下、すなわち免疫担当細胞の減弱が問題となってくる。我々は、術前化学療法の開始から手術までの過程において、末梢血細胞の採取を行い、NK細胞やT細胞の変化を検索する。 今年度は、実際に患者から末梢血細胞の採取を行うための書類上の手続きを済ませ、実際にサンプルの採取に取りかかったところである。来年度は引き続き、臨床サンプルの採取を継続し、口腔癌患者の末梢血細胞におけるIL-18の抗腫瘍効果を検討することにより、IL-18を用いた悪性腫瘍に対する免疫療法の開発を進める。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] W.Hashimoto 他6名: "NK but mot NKT cells play a necessary role to promote an innate antitumor Response induced by IL-18"Int.J.Cancer. 103. 508-513 (2003)
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[Publications] 橋元 亘 他3名: "Interleukin-18によるNatural Killer(NK)細胞活性化および腫瘍細胞のアポトーシス誘導"頭頸部腫瘍. 29. 1-7 (2003)