2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現様相に基づく口腔扁平上皮癌の転移性診断法の開発と臨床応用の検討
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14370664
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 昌毅 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10242439)
星名 秀行 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (30173587)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
藤田 一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60271805)
依田 浩子(米持 浩子) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
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Keywords | 扁平上皮癌 / 個性診断 / 遺伝子発現 / リアルタイムPCR / MMP-1 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
今年度はこれまでの研究結果から、頚部リンパ節転移と強い関連が示唆されたMMP-1について、リアルタイムPCR法による発現定量を行い、転移予測因子としての有用性を検討した。これまでの検体収集に引き続き、生検時あるいは手術時に切除したOSCC組織からtotalRNAを抽出し、逆転写反応によってcDNAを合成した。これを鋳型としてMMP-1およびβ-actinに特異的なプライマーを用い相対的定量を行い、リンパ節転移との関連を検討した。これまでに、頬粘膜癌11症例、舌癌34症例、口底癌5例、下顎歯肉23症例、上顎歯肉6症例について、MMP-1遺伝子発現レベルの定量を行った。 MMP-1遺伝子発現レベルはT1-T2非進行舌-口底-頬粘膜癌で、頸部リンパ節転移を伴う癌において有意に高い値を示し(P<0.001)、リンパ節転移予測マーカーとしての臨床的有用性が示唆された。一方、T1-T2非進行上下歯肉癌では多様なパターンが確認され、MMP-1単一では転移マーカーとして不十分であることが示唆された。一般にT3-T4進行癌症例ではMMP-1が低値の場合にもリンパ節転移を生じており、転移に関し有意差は示されなかった。しかし、予後について検討すると、後発転移、リンパ節多発転移、局所再発、死亡症例などの予後不良症例にMMP-1の高値が観察された。これらの結果から、進行癌においては、全般的な予後判定因子としての可能性が示された。 本年度は検体の収集、MMP-1発現レベルの検出について計画を実行した。この過程で、(1)検体の採取方法、(2)RNA抽出法、(3)RNAの品質検定、(4)リアルタイムPCR法による遺伝子発現定量法、(5)結果の統計解析法について検討した結果、検体の採取条件、遺伝子抽出法、発現定量法によりデータに変動が見られることが判明した。それに基づき、現在、安定した結果が得られるプロトコール作成を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagashima, K., Takagi, R., Hoshina, H.: "Effect of local hyperthermia on metastases in oral squamous cell carcinoma"Int. J. Oral Maxillofac. Surg.. 31. 84-89 (2002)
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[Publications] Maruyama, S., Takagi, R., Saku, T., et al.: "Sebaceous lymphadenoma of the lip : report of a case of minor salivary gland origin"J. Oral Pathol. Med.. 31. 75-79 (2002)
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[Publications] Lai, W., Takagi, R., et al.: "Postoperative mandibular stability after orthognathic surgery in patients with mandibular protrusion and mandibular deviation"Int. J. Adult Orthod. Orthognath. Surg.. 7. 13-22 (2002)
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[Publications] 林 孝文, 新垣 晋, 星名秀行: "T1・T2舌癌の口腔内超音波所見と頸部リンパ節転移との関係"口腔腫瘍. 13. 75-79 (2002)