2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現様相に基づく口腔扁平上皮癌の転移性診断法の開発と臨床応用の検討
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14370664
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 昌毅 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10242439)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
藤田 一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60271805)
伊田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
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Keywords | 扁平上皮癌 / 個性診断 / 遺伝子発現 / リアルタイムPCR / MMP-1 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
これまでに行ったマイクロアレイ遺伝子発現解析の結果にもとづきMMPファミリーおよびインヒビター、計14遺伝子の癌組織内発現をR-PCRにより定量し、頚部リンパ節転移のバイオマーカーとしての有用性を検討した。対象としてリンパ節転移を有する20例と有しない20例からなる舌扁平上皮癌40症例を用いた。その結果、MMP-1、MMP-7、MMP-11、MMP-13の遺伝子発現レベル(ACTB比)がリンパ節転移陽性群で有意に高値を示した(Mann-Whitney test, p<0.05)。さらに実用性の高いバイオマーカーを検索するため、MMP/MMPインヒビター比(MMPs/TIMPs or RECK)について検討した。この方式では有意差はMMP-1 or -7/TIMP1 or 2ratiosに検出されたのみであったが、臨床的に高転移性と予後不良症例においてMMP-1 or -7/TIMP1 or 2ratiosが高値を示した。MMP-1/TIMP2についてその臨床的有用性について検討をおこなった。転移陰性症例においてMMP-1/TIMP2は1以下を示していた。一方、転移陽性症例群においてはMMP-1/TIMP2値は高値から低値に広く分布した。1以下の値を示す症例も多く認められたため、腫瘍の転移マーカーとしては高転移性癌の一因子を示しているに過ぎないと考えられた。しかし、MMP-1/TIMP2が1以上の高値を示した症例群は死亡や多発転移を結果した高悪性度症例に一致し、悪性度を示すバイオマーカーとして鋭敏かつ有用である可能性が示唆された。さまざまな細胞からなる全腫瘍組織の遺伝子発現定量では原発部や採取条件により結果が変動するが、MMP-1、MMP-7遺伝子が示した安定した有意性はそれらの遺伝子のリンパ節転移バイオマーカーとしての臨床的実用性を示唆していると考えられた。 本年度の研究の展開としてこれまでの2施設の症例収集から、新たに海外研究協力を含む2施設における検体収集を加えて開始し、口腔扁平上皮癌の約150症例の検体を収集している。これらをもとに多数症例を基礎にしたバイオマーカーの同定を検討し、取り組んでいくものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagata M, et al.: "Identification of potential biomarkers of lymph node metastasis in oral squamous cell carcinoma by cDNA microarray analysis"Int J Cancer 106:683-9,2003. 106. 683-689 (2003)
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[Publications] Fujita H, et al.: "Clinical significance and usefulness of quantification of telomerase activity in oral malignant and non-malignant lesions"Int J Oral Maxillofac Surg.. 33(In press). (2004)