2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質性細胞を含有する連続気孔性アパタイト焼結体の骨再建材料としての有用性
Project/Area Number |
14370672
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上山 吉哉 山口大学, 医学部, 教授 (00168668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊田 正道 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60176279)
真野 隆充 山口大学, 医学部, 講師 (80325125)
石川 邦夫 九州大学, 大学院歯科研究院, 教授 (90202952)
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Keywords | 連続気孔性アパタイト焼結体 / 骨髄間質性細胞 / 骨再生 |
Research Abstract |
1.連続気孔性アパタイト焼結体の調整 軟質発砲ポリウレタンフォームを,10%二酸化ケイ素を含有するアパタイト懸濁液に浸漬し,1400℃で5時間焼成することによりインプラント操作に十分耐えうる強さを持ちアルミナフォームと同様な三次元骨梁型連続気孔性多孔体,すなわち連続気孔性アパタイト焼結体が作製できた. 2.連続気孔性アパタイト焼結体の物性評価 作製した連続気孔性アパタイト焼結体を粉末X線回析を用いて組織解析を行った.その結果,焼成前は典型的なアパタイト構造が認められるが形成された多孔体の主成分は骨置換材として知られるβ型リン酸三カルシウム(β-TCP)と,その高温安定相α型リン酸三カルシウム(α-TCP)の混合体であった。その特性は気孔率が約85%、気孔径が約0.85mmでほぼアルミナフォームと同様であった.しかし,気孔径を小さくするためさらに目の細かいポリウレタンフォームを用いて連続気孔性アパタイト焼結体の作製を試みたが完成したものは目詰まりし目的にかなった連続多孔の形態には成らず気孔率0.85mm以下の連続気孔性アパタイト焼結体は作製できなかった. 3.小動物を用いた経時的な骨形成の組織学的検討 ウサギ大腿骨にフィッシャーバーにて骨欠損を形成し,試作連続気孔性アパタイト焼結体を埋入後,組織学的に気孔内での骨形成を経時的に検討した.埋入2週目でアパタイト焼結体に近接して骨が形成されていた.埋入4週目ではアパタイト焼結体周囲全体に薄い一層の骨が形成され,さらに形成された骨は結合組織を介さず直接アパタイト焼結体と接していた.埋入8週目では,アパタイト焼結体はその多くの部位で周囲に直接接した骨形成が認められた.これらの所見よりアパタイト焼結体は連続気孔を有することが確認されたが,組成が骨置換材であるTCPであるため骨への置換を期待したが8週目まではアパタイト焼結体が吸収しているような所見は認められなかった.
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[Publications] Ueyama Y, Ishikawa M, Mano T, K oyama T, Nagatsuka H, et al.: "Usefulness as guided bone regeneration membrane of the alginate membrane"Biomaterials. 23. 2027-2033 (2002)