2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する化学・放射線・免疫療法の治療効果制御因子に関する基礎的検討
Project/Area Number |
14370676
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌谷 宇明 高知医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00315003)
植田 栄作 高知医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00200824)
木村 剛 高知医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10294836)
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Keywords | 口腔癌 / 浸潤 / 活性酵素 / Mn-SOD / タイトジャンクション / オクルジン / クラウジン / β-カテニン |
Research Abstract |
口腔癌に対して5-FU、ペプロマイシン、γ線、OK-432及びLAK細胞の輸注による治療を行うと共に、治療の前後に採取した癌組織、さらには培養細胞を用いて検索を行い、現在のところ、以上の結果を得ている。 1.対象の約60%は治療に良く反応しCRを得られたが、約20%においては十分な効果が得られなかった。 2.治療効果は癌細胞の活性酸素消去能、特にMn-SOD活性と関連を有していた。 3.治療効果の不十分な例の多くは癌細胞がビ慢性浸潤様式を呈し、タイトジャンクションの構成成分であるオクルジン及びクランジンの発現が弱く、裏打ち蛋白であるβ-カテニンの発現も弱いことが、RT-PCR、ウエスタンブロッティング及びin situハイブリダイゼイションによって示された。 4.タイトジャンクションの発現は癌の発育先端で弱く、癌の中心部で強く認められた。 5.ヌードマウスに形成された癌に対し、LAK細胞の輸注を除く"化学・放射線・免疫療法"を行ったところ、in vitroでビ慢性浸潤様式を示した癌細胞株では、癌細胞が"ビ慢性"に残存し、残存した癌細胞は高い活性酸素消去能を有していた。 6.ビ慢性に残存した癌細胞のタイトジャンクション構成蛋白の発現は非常に低下していた。 以上の結果より、高浸潤性とタイトジャンクションの発現との関係が認められ、活性酸素消去能と治療に対する感受性との逆相関の関係も明らかにされた。これらを基に、今後、遺伝子レベルでの検討を深め、タイトジャンクションと浸潤、さらには活性酸素消去能と低酸素誘導因子(HIF-1α)の発現との関係を追求する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Stephen Hsu: "Transforming growth factor β1 dysregulation in a human oral carcinoma tumor progression model"Cell Proliferation. 35・3. 183-192 (2002)
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[Publications] Stephen Hsu: "Induction of p57 is required for cell survival when exposed to green tea polyphenols"Anticancer Research. 22・6C. 4115-4120 (2002)
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[Publications] Eisaku Ueta: "Tyrosine-nitration of caspase 3 and cytochrome c does not suppress apoptosis induction in squamous cell carcinoma cells"International Journal of Cancer. 103・6. 717-722 (2003)
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[Publications] Takaaki Kamatani: "Polymorphic mutations of the Mn-SOD gene in intact human lympho-cytes and oral squamous cell carcinoma cell lines"Biochemistry and Cell Biology. 81・1. 43-50 (2003)
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[Publications] Tetsuya Yamamoto: "Characteristic cytokine generation patterns in cancer cells and infiltrated lymphocytes in oral squamous cell carcinomas and the influence of chemo-radiation combined with immunotherapy on the patterns"Oncology. (in press).
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[Publications] Stephen Hsu: "Green tea polyphenol targets the mitochondria in tumor cells inducing caspase 3-dependent apoptosis"Anticancer Research. (in press).