2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型を用いた法歯学的個人識別における実用度の高い検査法の開発と精度の向上
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14370701
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽賀 俊明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180912)
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Keywords | ミトコンドリアDNA多型 / ミトコンドリアDNA多型の系統 / Y染色体STR多型 / Y染色体biallelic marker / Y染色体多型の系統 / 変性DNA / 常染色体上のSTRとSNPs / PCR法 |
Research Abstract |
211人のmtDNAのHVIおよびHVII領域の塩基配列およびcoding領域の系統と関連する多型検査を行い、現段階において最も詳細な日本人のmtDNAの系統を確立し、日本人に特徴的な3つの新しいhaplogroupを加え、33のgroupに分類した。さらにこれらのデータを元に他の日本人、韓国人、中国人との違いを示し、mtDNA多型が個人識別のみでなく人種推定にも役立つことを示した。261人の男性試料についてY染色体多型の42種類のbiallelic markerおよび16種類のSTRの検査を行い、現段階において最も詳細な日本人のY染色体多型の系統を確立し、3種の新しい系統を加え、17のgroupに分類した。また数種類のSTRがbiallelic markerにより決定された系統と強く相関していることを示し、少なくとも日本人の近縁集団において、法医学領域で多用されているSTR多型のhaplotypeから、系統を推定可能であることを明らかにした。またbiallelic markerについてはいずれも高度変性DNAからの検出が可能なシステムを作り上げた。同意を得た165人の患者の抜去歯牙および止血時の血痕を試料としてDNAを抽出し、変性度合いの異なるDNA試料を作製した後、常染色体上のSNPsとSTR、ABO、HLADQA1、VWA、CD4座位の検出を行い、DNA変性がPCRによる多型判定に与える影響を検討した。その結果、変性が進むにつれてalleleの増幅不均衡、allele drop、増幅されない状態が増加していった。さらに変性DNAからのSTR検出は過った型判定が認められたが、SNPsは過ったalleleの増幅はなかった。また試料の変性度合いが進むにつれ、target以外のcontaminated DNAを増幅する機会が増加することが明らかになった。これらのデータはいずれも投稿中および投稿準備中のものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 丸山 澄, 水口 清, 斉藤成也: "日本人のmtDNAハプロタイプと人種との比較"DNA多型. Vol.10. 156-159 (2002)
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[Publications] 野中 育, 水口 清: "Y染色体上のSNPsとハプロタイプ解析"DNA多型. Vol.10. 176-178 (2002)
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[Publications] Kato, T. et al.: "Salivary cystatins induce interleukin-6 expression via surface molecules in human gingival fibroblasts"Mol Immunol. 39. 423-430 (2002)
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[Publications] Minaguchi, K. et al.: "DNA analysis of neonatal human remains wrapped and kept in a vinyl bag for 15 years"Legal Medicine. 5(In press). (2003)