2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経性ペプチドVIPを応用した炎症性骨吸収阻止薬の開発
Project/Area Number |
14370708
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
向山 仁 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (00242214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾澤 昌悟 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (50323720)
青木 和広 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (40272603)
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
長澤 敏行 東京医科歯科大学, 助手 (90262203)
新田 浩 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (70237767)
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Keywords | vasoactive intestinal peptide / osteoclasts / osteoblasts / VIP receptor |
Research Abstract |
骨組織における炎症性骨吸収は炎症時に作用する各種の因子が作用し、骨形成と骨吸収のバランスが変化し骨吸収が冗進した結果である。歯周炎においても類似の病理的状態により骨吸収が亢進しているものと考えられる。さて、神経線維は全身に分布しており、そのネットワークは歯周組織にも存在している。その繊維のなかにはvasoactive intestinal peptide(VIP)陽性の繊維が存在し歯周組織の骨代謝を直接的、間接的に調整していると考えられる。VIPの硬組織代謝に対する直接作用および間接作用に対して検討することとした。直接作用に関しては骨髄細胞の破骨細胞形成系をもちいてVIPの破骨細胞形成に対する作用を培養系で検討した。その結果骨髄細胞にはVIPレセプターが存在し、破骨細胞形成をcAMP介したメカニズムで抑制すること。VIPの作用は破骨細胞形成の後半期に作用すること、が明らかとなった。一方局所における免疫応答や炎症反応はTリンパ球サブセットのバランスにより調節されている。そのひとつがタイプ1T細胞(Th1)、もうひとつがタイプ2T細胞(Th2)である。Th1優位な局所炎症状態に対してVIPはTh2を活性化し、Th2由来のIL-4,IL-10,IL-13が分泌される。それらはTh1に抑制的に作用し、その結果Th1由来1FN-γ、IL-17産生が減弱し、IFN-γ、IL-17の標的細胞であるマクロファージなどからのIL-1やTNF-α産生が減り、局所の炎症病変が弱まるとされている。本研究ではVIPの破骨細胞への間接作用に関する研究に関しては、VIPの間接作用を検討するための実験的歯周炎モデルをマウスにて現在作成中である。
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