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2003 Fiscal Year Annual Research Report

歯周病の遺伝子治療 -局所的遺伝子導入による生体反応の制御-

Research Project

Project/Area Number 14370710
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

高柴 正悟  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50226768)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保田 聡  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90221936)
西村 英紀  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
窪木 拓男  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00225195)
明貝 文夫  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50263588)
Keywords歯周病 / 遺伝子治療 / ヒトβ-defensin-2 / 顎下腺 / 唾液
Research Abstract

現代の医療の最前線では,疾患の病態から生体反応を制御する生体因子を標的とするサイトカイン療法,細胞治療,そして遺伝子治療が注目され,一定の成果を挙げている。一方,歯周病は生体の炎症・免疫反応に依存する病態を呈するにも関わらず,従来の歯周病細菌除去療法の域を脱していないのが現状である。こうした背景の中,本研究は局所遺伝子治療を応用して,新規歯周病治療の確立を目指すものである。
我々は,まず哺乳動物発現ベクターの構築を行った。このベクターは発現遺伝子として検出が容易なGreen Fluorescent Protein (GFP)遺伝子を発現するベクターに抗菌作用を有するヒトβ-defensine-2 (HBD-2)遺伝子を組み込むことによって得た。次に,in vitroにおいて歯周病細菌であるActinobacillus actinomycetemcomitans (Aa)に対するHBD-2の影響を検討した。すなわち,HeLa細胞に構築したベクターを導入してHBD-2を強制発現させ,Aaの細胞内侵入数を調べた。この実験系から,HBD-2発現HeLa細胞へのAaの侵入率は対照と比較して有意に減少することを確認した。このことは,HBD-2を強発現させることによって,歯周病細菌の感染性を減少させ得る可能性を示唆する。
次に,in vivoにおける遺伝子治療の有効性を検討するために,遺伝子発現動物モデルの確立を図った。前述のベクターをラット顎下腺細胞に導入した後の唾液腺におけるGFPの発現を,蛍光顕微鏡を用いて観察した。この実験系から,ラット顎下腺に緑色の蛍光を発する細胞を観察することができたので,この結果は,我々がin vivo遺伝子発現モデルを構築したことを意味する。次に,このin vivo遺伝子発現モデルにおけるHBD-2による唾液中の抗菌活性を大腸菌(E.coli)の生存率を調べて検討した。この実験系から,HBD-2を強発現させたラットの唾液中の抗菌活性は,対照と比較して有意に上昇することを確認した。
以上の結果は,我々が構築した遺伝子治療の手法によって,口腔内細菌を減少し得る可能性を示唆するものであり,新規歯周病治療の確立が期待される。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 松浦香織 et al.: "Actinobacillus actinomycetemcomitansの細胞内侵入に与えるヒトβ-defensin-2の影響"日本歯周病学会会誌. 45巻春季特別号. 81 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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