2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370719
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和田 智彦 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20177025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 真伸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00271916)
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Keywords | ピラミッドアミド / 金属アート錯体 / ベンザイン / 非平面アミド |
Research Abstract |
我々は7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンのアミド誘導体のアミド窒素原子がピラミッド構造を取ることを見いだし報告している.窒素ピラミッドアミドはsp3性を帯びた中性窒素原子を有しアミド結合の平面剛性が弱まり,アミドのcis-trans異性化も容易になっていると推定している.基底状態でアミド窒素がピラミッド化するアミドおよび関連化合物の事例は非常に希で、唯一アジリジン誘導体が確立した例である。Goodmanらはアジリジン骨格を用いた窒素ピラミミッドペプチド及び類縁体の合成を試みているが、アジリジンアミドの不安定さ(容易に加水分解される)や置換基を有するアジリジン化合物の合成化学上の制限がある.我々は7-アザビシクロ[2・2・1]ヘプタン構造がアミドおよび関連官能基の窒素ピラミッド化を必ず引き起こす構造単位であると考えている.本研究課題では7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造によって引き起こされる非平面アミドの一般性を解明し,新規な構造素子(ビルデイングブロック)としての応用を行う. 本年度の研究では以下の研究を行った. (1)金属アート錯体試薬を用いる置喚基ベンザインの創製と多様な7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン導体合成への応用 本研究で扱った7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する多様な誘導体,特に疎水性場構築に有効な芳香環を有する化合物群を効率的に合成する合成法は未開拓である.7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有するエピバチジンアルカロイド合成研究で二環性構造合成に多少の進展はあるが芳香環を有する化合物群の多様化は図られていない.本研究の対象とする化合物群の合成にはピロール誘導体と置換基を有するベンザインのDiels-Alder反応が有効であるため,官能基選択性を有するベンザイン生成反応の開拓が不可欠である.本研究課題では亜鉛アート錯体を用いる芳香族C-H結合引き抜き反応によって置換基を有するベンザインの創製反応を開拓した.
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