2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14370721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50214680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 一典 京都大学, 化学研究所, 助手 (50303897)
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Keywords | 不斉求核触媒 / エナンチオ選択性 / 気質特異性 / 速度論的分割 / 不斉非対称化 / C_2-対称 / ピロリジノピリジン |
Research Abstract |
我々は4-ピロリジノピリジン(PPY)を基本骨格とする不斉求核触媒を既に開発し、本触媒がラセミ体アミノアルコールのアシル化による速度論的分割で高いエナンチオ選択性を示すことを既に見出している。本年度はL-グルタミン酸を出発物質としてピロリジン環2位と5位に2つの官能基側鎖を持つC_2対称PPY型不斉求核触媒の合成ルートを確立し、C_2-対称PPY型不斉求核触媒のライブラリーを構築した。この触媒群を用い、メソ-1、2-及び1、3-ジオールの不斉非対称化を行なった。シクロヘキサン-1、2-ジオールでは最高99%eeで、ブタン-1、2-ジオールでは93%eeで不斉非対称化が進行した。しかしながらこれらの触媒はメソ-1,3-ジオールの不斉非対称化では良い結果を与えなかった。一方、4-ヒドロキシ-L-プロリンを出発物質とし、ピロリジン環2位と4位に2つの官能基側鎖を持つPPY型不斉求核触媒のライブラリー構築を行なった。これらの触媒はメソ-1、2-ジオールの不斉非対称化では良い結果を与えなかったがメソ-1,3-ジオールの不斉非対称化では、2位の官能基側鎖は不斉誘導に主要な役割を果たし、4位の官能基側鎖はジオールのアシル化の化学種選択性とエナンチオ選択性の両方の制御に関与する結果を得た。活性中間体アシルピリジニウムの構造解析を非経験的分子軌道計算を用いて行なったところ、C_2-対称PPY型求核触媒と単官能基性求核触媒とでは全く異なる構造をとることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeo Kawabata: "Remote Chirality Transfer in Nucleophilic Catalysis with N-(4-Pyridinyl)-L-Proline Derivatives"Chirality. 15・1. 71-76 (2003)
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[Publications] Takeo Kawabata: "Preparation and Properties of Chiral 4-Pyrrolidinopyridine (PPY Analogues with Dual Functional Side Chains"Tetrahedron Letters. 44・8. 1545-1548 (2003)
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[Publications] 川端猛夫: "四置換炭素の不斉構築"ファルマシア. 39・7. 672-673 (2003)