2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370744
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 正知 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80190297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Keywords | GATA因子 / GATA-4 / GATA-6 / DNA結合蛋白 / 転写制御因子 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
昨年と同様、(1)GATA-4やGATA-6の遺伝子上流域(プロモーター)の解析、(2)それらGATA因子の機能領域の解明、(3)精巣由来の細胞におけるGATA-4依存の転写の総合的な検討、(4)種々薬剤、化合物、内因性のGATA因子と相互作用する調節物質の探索、などを目的として行い、以下のような成果を本年度は得た。 (1)GATA因子の発現制御の評価系構築を目指し、P19CL6細胞が心筋様細胞に分化する系を導入し検討を加えた。その結果、分化時にGATA-4が転写活性化されること、転写開始点はこれまで臓器や他の発現培養細胞で決定した部位と大きく違わないことを明らかにした。 (2)GATA因子の機能の評価系構築を目指し、GATA-6がAキナーゼを介して分解される経路を明かにする検討をさらに進めた。比較的低濃度のAキナーゼ阻害剤を加えた時には、Cキナーゼ阻害剤を共存させるとGATA-6の分解が抑制されることを見い出し、複数のキナーゼが関与する可能性を明らかにした。しかし、MAPキナーゼやSrcキナーゼは関与しないことを示した。 (3)精巣のセルトリ細胞やライデイッヒ細胞におけるGATA-4依存の転写を解明する目的で、マウスのTM3,TM4細胞を用いてレポーター遺伝子アッセイを行った。その結果、転写開始点のすぐ上流にある2個並んだSp1結合配列とE-box配列が基本転写に重要であることを明らかにした。 (4)GATA-6の翻訳を検討し、N末側にあるPEST様配列が分解シグナルとしてではなく、L型の翻訳産物を安定化する可能性を示した。
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