2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターの機能解析に基づく創薬分子デザイン
Project/Area Number |
14370754
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 智久 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60193281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袖岡 幹子 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60192142)
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Keywords | ゲノム創薬 / ABCトランスポーター / 高速スクリーニング系 / プロテインキナーゼ / 構造活性相関 / 制癌剤 |
Research Abstract |
薬剤輸送におけるABC(ATP-Binding Cassette)トランスポーターの重要性が認識され、その機能解析が世界的に注目をあびている。したがって、薬物輸送に関与するヒトABCトランスポーターの基質特異性および薬物相互作用をin vitro実験で検証する必要がある。我々は、多様な薬物に対するABCトランスポーターの基質特異性を解析するために、96ウェルプレートを用いた自動化高速スクリーニングシステムを確立した。本年度の研究ではABCG2(BCRP)の基質特異性および薬物相互作用をスクリーニングして、創薬分子デザインに役立つデータベースを構築した。神経伝達物質、Caチャネル阻害剤、Kチャネル開口剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制剤より43種類の化合物を選択して阻害スクリーニングを行い、構造活性相関の解析を行った。そして分子構造を表すケミカルフラグメントコードを用いた定量的構造活性相関(QSAR)の解析方法も開発した。当該解析方法を用いた応用例として、ABCG2のSN-38輸送の構造活性相関を解析し、ABCG2の基質にならない誘導体を同定することができた。そのSN-38誘導体は、ABCG2を高発現して抗癌剤に耐性の癌においても制癌剤として有効であることがin vitroの実験で明らかになった。さらに、プロテインキナーゼC(PKC)の全く新しいリゲンドを設計・合成し、ホルボールエステルに匹敵する強力な活性化剤の開発に成功した。また、構造修飾により、阻害活性を示す誘導体の開発にも成功した。そして癌細胞の遊走や浸潤を強力に阻害する化合物の開発にも成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Transport of SN-38 by the wild type of human ABC transporter ABCG2 and its inhibition by quercetin, a natural flavonoid.2004
Author(s)
Yoshikawa, M., Ikegami, Y., Sano, K., Yoshida, H., Mitomo, H., Sawada, Ishikawa, T.
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Journal Title
J. Exp. Ther. Oncol. 4
Pages: 25-35
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[Journal Article] Novel camptothecin analogues that circumvent ABCG 2-associated drug resistance in human tumor cells.2004
Author(s)
Yoshikawa, M., Ikegami, Y., Hayasaka, S., Ishii, K., Ito, A., Sano, K., Suzuki, T., Togawa, T., Yoshida, H., Soda, H., Oka, M., Kohno, S., Sawada, S., Ishikawa, T., Tanabe, S.
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Journal Title
Int. J. Cancer 110
Pages: 921-927
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