2002 Fiscal Year Annual Research Report
医療における安全な電磁環境の創造と無線通信の安全な導入に関する研究
Project/Area Number |
14370771
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
花田 英輔 島根医科大学, 医学部, 助教授 (90244095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 孝人 大分大学, 工学部, 助教授 (60225159)
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Keywords | 電磁環境 / 電界 / 磁界 / 無線LAN / シミュレーション / 電磁波 / 電源 |
Research Abstract |
本年度は、まず電磁界・静磁界と電磁両立性に関する国内外の規格・規格改訂の進捗について資料を収集した。 次に、病院内における電磁環境について、医用電子機器に悪影響を与える原因とその度合いを把握するため、詳細な測定と医用電子機器・一般家電機器へ与える影響について調査した。具体的には次のような電源および磁界の強度測定を行った。 九州大学医学部附属病院の新病院建物において、様々な条件下で電源の波形を調べ、重畳しているノイズの量とその発生源を調査すると共に、電圧不足による機器停止などの誤動作が発生する可能性について探った。この成果は論文として発表するとともに、来年度の日本エム・イー学会においても発表する予定である。 また、島根医科大学医学部附属病院内の2ヶ所の電気室周辺において発生している低周波交流地場の分布について、詳細な測定を行った。 上記と並行して、既存の無線LANと医用電子機器との間の相互干渉の有無について調べた。無線LANには赤外線を利用するもの、電波を利用するもの、レーザー光線を使用するものがあるが、今回は電波を利用するものを対象とした。具体的には、運搬が容易な医用電子機器については電波暗室内で無線LANが使用する電波を照射して医用電子機器に与える影響を調査すると共に、医用電子機器が発する電磁的ノイズによって無線LAN機器や無線LANを利用した通信が受ける影響について調査し論文として発表した。 さらに、電波発信体が置かれた場合の部屋内や建物内の電界強度分布をコンピュータで容易に予測可能とする、電場シミュレーションプログラムを開発するべく、ハードウエアとソフトウエアを購入したが、ソフトウエアの納入が年度末となったため、具体的な開発は来年度に行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hanada E., et al.: "Negligible electromagnetic interaction between medical electronic equipment and 2.4 GHz band wireless LAN"Journal of Medical Systems. Vol.26 No.4. 301-308 (2002)
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[Publications] Hanada E., et al.: "Electromagnetic shielding capacity of stainless-steel fiber mesh"IEEE EMC Society Newsletter. (印刷中).
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[Publications] Hanada E., et al.: "Electromagnetic noise superimposed on the electric power supply to electronic medical equipment"Journal of Medical Systems. (受理済).
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[Publications] 花田英輔, 他: "医療機関における無線LANの活用方法と注意点"医療情報学. 第24巻3号. 287-294 (2002)