2004 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院群からの医療事故報告システムの構築と集積データによる原因分析
Project/Area Number |
14370773
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
寺崎 仁 日本大学, 医学部, 講師 (90227512)
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Keywords | 医療事故 / 患者安全 / 警鐘的事例 / 日本医療機能評価機構 / 患者安全推進ジャーナル |
Research Abstract |
本研究は、わが国の病院認定機関である日本医療機能評価機構によって認定された急性期の病院に協力を求め、医療事故および警鐘的・教訓的事例に関する情報の提供を受け、集積された事例について原因を分析して有効な防止策を検討し、その経験を病院間で共有することにより患者安全の推進を図ることを目的としている。最終的に対象病院は約840病院と拡大し、緊急性の高い医療安全上の課題について、対象病院における現況の調査を行い、それを踏まえた重点的検討事項を設定した。そして、それらの重点的検討事項に関して経験された医療事故または警鐘的・教訓的事例に関する情報提供を依頼し、集積された情報に基づいた事故原因の分析とその防止策について検討し、得られた成果を対象病院に還元するという手順で研究活動を進めた。 具体的な課題としては、投薬(与薬)プロセスにおける事故、IT・情報機器使用に伴う事故、処置・チューブトラブル、医療機器・設備に関連した事故等をとりあげ、対象病院からそれぞれの領域の多岐にわたる医療事故または警鐘的・教訓的事例が提供された。これらの原因分析を踏まえて、KClやキシロカインの急速静脈注射の防止、抗がん剤投与における医療チームの情報共有、中心静脈カテーテル挿入ガイドライン、処方入力ミスの防止等に関する提言・指針・警報などが取りまとめられ、参加病院に還元された。これらの成果は、定期的な事例検討報告書である「患者安全推進ジャーナル」として取りまとめ、通巻8号が発刊された。複数の病院から医療事故に関する情報提供を受け、その経験を共有することは医療安全の推進に有効であり、本研究で取り組まれた医療事故報告システムの運用と患者安全に向けた情報還元の活動は、今後とも継続される見通しとなった。
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Research Products
(9 results)