2002 Fiscal Year Annual Research Report
新生児期の薬物代謝能を考慮した薬物投与設計に関する研究
Project/Area Number |
14370779
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北田 光一 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (90110345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 伊都子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (00202929)
有吉 範高 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243957)
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Keywords | 新生児 / 薬物代謝 / CYP3A4 / CYP3A7 / 内因性ステロイド / 尿中6β-OHF / C比 |
Research Abstract |
本年度は、主にin vitroの系を用い、胎児型CYP3A7、成人型CYP3A4の薬物代謝能を明らかにする目的で以下の2点について検討を行った。 1.発現CYP3A4とCYP3A7の各種薬物および内因性ステロイド代謝における基質特異性の差異 5種類の薬物(カルバマゼピン: CBZ、ネビラピン: NVP、トリアゾラム: TZM、エリスロマイシン: EM、ゾニサミド: ZNS)および5種類の内因性ステロイド(テストステロン: TES、コルチゾール、アンドロステンジオン: AND、DHEA、DHEA-S)の両酵素による代謝酵素活性を測定し、速度論的パラメータの算出を行った。両酵素による薬物および内因性ステロイド代謝酵素活性は、DHEA、DHEA-Sの代謝でCYP3A7による代謝酵素活性がCYP3A4を上回ったが、その他の基質ではすべてCYP3A7による活性がCYP3Mのそれを下回った。また、Kmは薬物、内因性ステロイドとも両酵素間で大差は認められなかったが、Vmaxは両酵素間で顕著な差異が認められたことより、CYP3A7とCYP3A4の代謝酵素活性の違いは基質と酵素の親和性の差よりも、最大代謝活性の違いによるものと考えられた。 2.発現CYP3A4とCYP3A7による薬物代謝活性に及ぼす各種内因性ステロイドの影響 発現CYP3A4によるCBZエポキシ化、NVP 2-、12-水酸化は、AND、TES、DHEAといったアンドロゲンにより活性化を受けたが、EM N-脱メチル化、ZNS還元化は逆にこれらのアンドロゲンにより強い阻害を受けた。一方、CYP3A7によるCBZエポキシ化、NVR 2-、12-水酸化は、DHEA-Sをはじめとする3位の硫酸抱合ステロイドにより顕著に活性化を受けた。これらの硫酸抱合ステロイドは新生児期に高濃度に存在することから、この時期の薬物代謝活性に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakamura, H: "Effects of endogenous steroids on CYP3A4-mediated drug metabolism by human liver microsomes"Drug Metabolism AND Disposition. 30・5. 534-540 (2002)
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[Publications] Nakamura, H: "CYP3A4 and CYP3A7-mediated carbamadepine 10,11-epoxidation are activated by differential endogenous steroids"Drug Metabolism AND Disposition. 31・4(in press). (2003)