2003 Fiscal Year Annual Research Report
リポ蛋白の酸化変性と血管内皮の信号応答に関する研究
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14370792
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡田 正彦 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30018915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井田 孝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80260545)
松戸 隆之 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80209577)
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Keywords | 酸化LDL / アポB / フラグメント / 非特異的たんぱく質 / アミノ酸配列 / トリプシン / 立体構造 / αヘリックス |
Research Abstract |
低比重リポたんぱく(LDL)の酸化変性を考える際、主要成分であるアポBが重要な役割を演じていると考えられる。そこで本年度は、酸化によって生じるアポBのフラグメント解析を試みた。 まず銅イオンを用いてLDLを酸化させたのち、(SDSによる)変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、フラグメントを二次元展開させた。各バンドを切り出し、N末端アミノ酸配列解析を行った。その結果について、解析サイトBCM Search Laucherによるホモロジー検索を行ったところ、アポB以外のさまざまなたんぱく質、たとえばアポA-I、フィブリン、α_2マクログロブリン、ハプトグロブリンなどであることが判明した。これは、多数の血清たんぱくがLDLに非特異的に結合していることを示している。そこで次に、これらの非特異たんぱくを解離させる方法について検討した。しかし、たんぱく分解酵素などは使えない。最終的に、LDLを銅イオンで"軽く酸化"させ、ゲルろ過法で精製することにより、これらを解離させることができた。 もちろん、この酸化反応が、アポB自体のアミノ酸配列にも変化を与えてしまう可能性は、十分に考えられる。そこで次年度(最終年度)、この手法を用いて精製した酸化LDLに、トリプシンなどのたんぱく分解酵素を作用させた上で、改めてフラグメントを分離精製し、アミノ酸解析を行ってみたいと考えている。その結果は、前述のデータベースで検索することにより、本来の(native)アポBに由来するものか、あるいは部分的に変性したものかが、判別できると思われる。 本年度は、もう1つの研究成果があった。アポBの立体構造を予測するための方法を種々検討したが、きわめて強力なアルゴリズムを見出したのである。これは、アポBが一種の膜たんぱくであることを利用したものである。つまりαヘリックスが膜を貫通する部位に着目し、親水性基が内側に、また同時に疎水性基が外側に配置される組み合わせを、総当り的に調べていくという方法である。組み合わせが膨大なため、アルゴリムズの改良が必要で、この点も次年度の課題としたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masahiko Okada: "Lipid analyses for the prevention of vascular diseases"J.Atheroscler.Thormb.. 11(in press). (2004)
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[Publications] Takashi Miida: "LACT-dependent conversion of pre β1-HDL into α-migrating HDL is severely delayed in hemodialysis patients"J.Am.Soc.Nephrol.. 14. 732-738 (2003)
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[Publications] Takashi Miida: "Analytical performance of a sandwich enzyme immunoassay for pre β1-HDL in stabilized plasma"J.Lipid Res.. 44. 645-650 (2003)
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[Publications] Takashi Miida: "Conversion of pre β1-HDL into α-migrating HDL is defective in fish-eye disease"Update of HDL Lipidology New Lessons from Basic and Clinical Medicine. 43 (2003)
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[Publications] Masahiko Okada: "Risk of carotid artery atherosclerosis : a prospective study in non-diabetic subjects(Niigata Study)"AHA Second Asia Pacific Scientific Forum (Final Program). 58 (2003)