2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管生物学におけるスフィンゴシン1-リン酸の意義の解明と臨床検査医学への応用
Project/Area Number |
14370794
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
矢冨 裕 山梨大学, 医学部, 助教授 (60200523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高蓋 寿朗 山梨大学, 医学部, 助手 (70334860)
浅妻 直樹 山梨大学, 医学部, 助手 (60293445)
尾崎 由基男 山梨大学, 医学部, 教授 (30134539)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 血管生物学 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / EDG / 臨床検査 |
Research Abstract |
我々は、スフィンゴシン1-リン酸(sphingosine 1-phosphate ; Sph-1-P)の血管生物学における重要性を明らかにし,その測定を臨床検査医学へ応用することを目標としている.今回,当初計画した次の事項に関して,重要な結果・知見を得ることができた.1)血管内皮細胞・血管平滑筋細胞における,(Sph-1-P受容体としての)EDG受容体の情報伝達機構の解明:EDG-1優位の内皮細胞,EDG-5優位の平滑筋細胞それぞれの情報伝達機構の解析を行った.過去の報告を確認するとともに,内皮細胞におけるEDG-5の軽微な発現が,遊走反応の制御に貢献しうることを明らかにした(Osadaら,2002).また,平滑筋のEDG-5受容体をその拮抗剤によりブロックすることにより,収縮反応を顕著に抑制することができることを明らかにした.将来のその治療的臨床応用に道を開くものある(投稿中).2)血管内皮細胞・血管平滑筋細胞上のEDG受容体発現の,種々の条件下における変動の解析とその制御機構の解明:内皮細胞のEDG受容体が炎症性サイトカインTNF-αにより劇的に制御されることを明らかにした(Osadaら,印刷中)3)血管内皮細胞におけるSph-1-P脱リン酸化反応の解析:内皮細胞上には強いSph-1-P脱リン酸化活性が存在することが判明した.4)Sph-1-P測定法の開発:Sph-1-Pのアミノ基をo-フタルアルデヒドと反応させ,発せられる蛍光を測定することによりSph-1-Pを定量する系が確立した.血漿検体測定を進めている.また,イムノアッセイ法でも測定できる目途がついた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Osada, M.: "Enhancement of sphingosine 1 -phosphate-induced migration of vascular endothelial cells and smooth muscle cells by an EDG-5 antagonist"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 299. 483-487 (2002)
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[Publications] Sano, T.: "Multiple mechanisms linked to platatelet activation result in lysophosphatidic acid and sphingosine-1-phosphate generation in blood"J.Biol.Chem.. 277. 21197-21206 (2002)
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[Publications] Ikeda, H.: "Antiproliferative property of sphingosine 1-phosphate in rat hepatocytes involves activation of Rho via Edg-5"Gastroenterology. 124. 459-469 (2003)
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[Publications] Osada, M.: "Modulation of sphingosine 1-phosphate/EDG signaling by tumor necrosis factor-α in vascular endothelial cells"Thromb.Res.. (印刷中).