2002 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の疾患感受性解析に基づく感染予測検査法の確立
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14370798
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00225385)
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119846)
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40119780)
桜井 進 河野臨床医学研究所, 主任研究員 (20056542)
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Keywords | ブドウ球菌性表皮剥奪素 / beta-catenin / plakoglobin / desmosomal cadherin / desmocollin 1 / plectin / desmoyokin / desmocalmin |
Research Abstract |
ブドウ球菌性表皮剥奪素(Staphylococcal exfoliative toxins : ET)はdesmosomeを切断する活性を持つ蛋白質であるが、その標的物質を検索している。以前の我々の実験結果において、ETに感受性の新産マウスからの皮膚組織ではbeta-cateninとともにplakoglobinの強い発現がみられ、全くETに非感受性となる生後10日ではbeta-cateninは検出されず、plakoglobinの発現も極めて低下することが明らかとなっている。Amagaiらは自己免疫疾患である落屑状天疱瘡の発症はdesmoglein1に対する自己抗体によることを報告し、この疾患をモデルとして、in vitroの実験を行い、ETAはrecombinant Dsg 1を切断すると報告し、SugaiらもETBはin vitroでDsg 1を切断すると報告している。しかし、desmosomal cadherinを構成するDsg 1、Dsg 2,Dsg 3の発現はいずれもマウスの胎生期(17日)、新産、生後10日においてほとんど同じ程度であり、おなじくdesmosomal cadherinを構成するdesmocollin 1、desmocollin 2、desmocollin 3もDsg同様に同じ程度に発現していることが分かった。desmosomal cadherinの裏打ち蛋白としてのplectin、desmoyokin、desmoplakinの発現は、胎生期のdesmoplakinの発現がみられない点を除き、ほぼ同じ程度に認められた。desmocalminに関しては現在、解析中であるが、SSSSは新産児、幼児に発症し、ETに感受性を有する新産マウス、新産ハムスターも、5日を過ぎるとETの接種によって表皮は剥脱しない。この点を考慮すると、マウス、ハムスターの新産の時期に発現し、生後5日を過ぎると発現しない接着因子は何かということである。現在、多くの研究者が提唱しているdesmosomal cadherinならびにその裏打ち蛋白について解析を行っている。
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[Publications] 桜井 進, 河野 稔: "黄色ブドウ球菌-表皮剥奪毒素"細菌毒素ハンドブック. 256-259 (2002)
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[Publications] Sakurai S, Suzuki H, Yoshizawa Y, Hata T, Machida K, Masuda S, Kohno M.: "Characterization and Sequencing of a novel positive regulatory element for exfoliative toxin A gene expression in Staphylococcus aureus"Microbiology. 149(1)(印刷中). (2003)
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[Publications] Machida K, Sakurai S, Hoshina S, Kohno M, Kohno T.: "Cloning and sequence determination of a gene coding for the substrate of an exfoliative toxin from Staphylococcus aureus"Archive of Kohno Clinical Medicine Research Institute. 18. 11-22 (2003)
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[Publications] Sakurai S, Hayashi T, Iwasaki S, Kohno T, Kohno M.: "Expression of wnt Enteroccus faecalis cell fractions"Modern Rheumatology. 31(1). 35-43 (2003)