2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の疾患感受性解析に基づく感染予測検査法の確立
Project/Area Number |
14370798
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (30119846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40119780)
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00225385)
桜井 進 (財)河野臨床医学研究所, 室長 (20056542)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌性表皮剥脱毒素 / ETA, ETB / Fibronectin / Plakoglobin / β-catenin |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌性表皮剥脱毒素はヒト以外には新産マウス、新産ハムスターのdesmosomeをhalf-desmosomeに切断する毒性を発現する。胎生期17日目、新産ならびに生後8日目のマウス皮膚組織からmRNAを抽出し、RT-PCRによってdesmosome構成蛋白をコードする遺伝子の発現を解析した。その結果、新産マウスではplakoqlobinが強く発現し、生後8日目ではほとんど検出できないまでに低下した。他のdesmosome構成蛋白をコードするdesmogleins (Dsg ; Dsg-1,-2,-3), desmocollins (Dsc ; Dscc-1,-2,-3), Plectin, desmoyokin, desmoplakin各遺伝子発現はdevelopmental stageに関係なく、ほぼ同程度であった。この結果からplakoglobinがETの標的物質であると推定された。ETを背部に皮下接種し、表皮が剥脱した新産マウスから水不溶性画分を調製し、mouse monoclonal抗plakoglobin IgG-Biotin標識抗体を用いてwestern blotを行った結果、対照マウスと比較してplakoglobinのシグナルの低下がみられた。しかし同様な方法によりDsg-1のシグナルには変化が認められなかった。今回desmosomal proteinを検出するためのELISA systemを開発し、2.4ng/200ulのDsg-1/Fc chimeraを検出できた。このELISA systemによる水可溶性画分中のplakoglobin量は生後8日目のマウスと比較して新産マウスでは高く、RT-PCRと一致する結果が得られた。Chemiluminescent HRP ELISA Substrate Kitを用いて検出感度を高め、SSSS患者由来材料についてplakoglobin量と本疾患感受性との相関をさらに検討したい。
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