2002 Fiscal Year Annual Research Report
新生児の睡眠・覚醒リズムの個人発達と母子交流に関する継続的研究
Project/Area Number |
14370804
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新小田 春美 九州大学, 医学部, 助教授 (70187558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 みどり 島根県立看護短期大学, 助教授 (20280125)
樗木 晶子 九州大学, 医学部, 教授 (60216497)
松本 一弥 東亜大学, 工学部, 教授 (80086602)
浅見 恵梨子 奈良県立医科大学, 看護短期大学部, 講師
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Keywords | 睡眠日誌 / 母子ペアー / 乳児の睡眠リズム / 睡眠習慣 |
Research Abstract |
目的,方法 : 平成14年度は、母親の睡眠行動が乳児の睡眠リズムに及ぼす影響を検討した。各母親には、出産日から少なくとも14週以上にわたって連続して母親自身とその乳児の日々の睡眠日誌を10分刻みで記入することをお願いした。12組の母子ペアーにおける出生から14週間にわたる連続記録した睡眠日誌を解析した。乳児はpolycyclicな唾眠であるために、夜間期における各乳児の就寝と起床は、母親の就寝直前における乳児の睡眠区画の開始時点、および母親の起床直後における乳児の睡眠区画の終了時点と,それぞれ定義した。日々の睡眠パラメータは、母子ともに出生から週毎に平均を算出した。統計解析は、産歴、経過週もしくは母子を独立変数に、睡眠パラメータを従属変数とする2元ないしは3元配置分散分析とNewman-Keulsのpost hoc testを行った。 結果; 有効記録数は、母親および乳児とも各々1,176日であった。平均就寝・起床時刻は、いずれも、産歴(就寝;F=9.81,p=0.005、起床;F=8.60、p=0.008)、母子(就寝;F=9.55,p=0.006、F=6.89,p=0.02)、週(就寝;6.64,P<0.0001、F=3.27,p<0.0001)に、また、就寝時刻のみは産歴と週の交互作用(F=2.13,p=0.02)に、それぞれ有意な効果が認められた。母親と乳児の出産から14週における就寝と起床時刻の変化は、類似していた。夜間における母親と乳児の就寝・起床時刻は、出生後14週間を通し類似した変化を示していたが、初産婦の母子は経産婦の母子よりも就寝・起床時刻とも遅かった。母親の夜間睡眠中に乳児が眠っていた時間のパーセンテージは週齢とともに上昇していたが、出生後の前半の週では初産婦の乳児で高く、逆にその後半の週では低かった。 まとめ : これらの結果から、母親の睡眠習慣や哺育経験の有無、乳児以外の子供の存在有無などが、乳児の睡眠リズムの発達に影響を与えていると推測された。
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