2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370809
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
西垣 克 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40101109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱井 妙子 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (50295565)
志賀 由美 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (30295555)
木村 忠直 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (70102374)
白石 葉子 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (10305500)
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Keywords | 重心 / 看護動作 / 労働負荷 / 3次元画像解析 / 生体情報 / ボディメカニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護動作の身体負荷を、力学的エネルギーと生理学的指標を用いて説明することである。平成14年度では、画像解析システム(Digimo : Icube)を用い、ポータブルトイレ移動介助動作における看護師の身体合成重心を測定し、3次元画像解析の妥当性と身体重心測定の有用性を検討した。その結果、3次元画像解析による身体合成重心の座標(X, Y, Z座標)は、重心の軌跡と身体各部の位置から、実際の動作を反映していることが確認でき、解析方法の妥当性が示された。さらに両足の幅と奥行きを基準に重心の分布をみると健常人が立位で腰部を回転したときの分布に比べて大きく逸脱する動作が観察され、看護師・患者・ベッドとの間で複雑に重心が合成されていることが実証された。合成重心の移動速度をみると、前後・左右・上下方向の移動が速い部分は、患者を大きく動かす時に認められ、看護動作は患者との力の総和を細かく調節しながら行っていることが明らかになった。以上のことより、看護動作全体における重心測定は、3次元画像解析システムが適しており、これを用いることにより、連続した看護動作の分析が可能であることがわかった。また、合成重心の位置を3次元的に明らかにすることにより、力学的的エネルギーの観点から動作の負荷を定量化できる可能性が示された。平成15年度は力学的エネルギーの検討を更に重ねるとともに、呼吸換気計測器(Cosmed : K4b2)を用いた生理学的エネルギーや、H14年度に購入し予備実験を行っている汎用生体情報システム(TEAC : PolymateAPl124)を用いた看護動作における筋電位測定を中心とした生体情報を得て、看護動作における負荷を検討していく予定である。
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