2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370824
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 明子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60255958)
有森 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90218975)
江藤 宏美 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10213555)
桃井 雅子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90307124)
片岡 弥恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70297068)
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Keywords | ドメスティック・バイオレンス / 妊婦 / 周産期 / ガイドライン / エビデンス / Evidence-based Medicine / 性暴力 |
Research Abstract |
本年度は、ガイドラインの初版を完成させ、広く社会に公表することを推進した。 本ガイドラインは、周産期に関わる病院・診療所・助産所などの周産期女性を対象としている臨床現場において、医療者が、潜在化しやすいドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence,以下DV)被害者女性を発見し、適切な施設・支援機関へつなげることにより、女性の保護および回復に向けての適切な介入が行われるようになることを目指して作成された。ただし、自立のための支援など、被害者への治療的介入に関する指針は含まない。 内容は、臨床現場で活用しやすいようにDV支援のフローチャートに沿って、(1)DV被害女性のための支援環境整備、(2)被害女性のスクリーニング、(3)被害者保護と安全確保、(4)医療現場から支援体制への連携、および(5)女性への情報提供に関するエビデンスを明らかにし、現段階においてもっとも有効性が期待されるケアの指針を作成した。 2004年4月時点までの主要医学・看護学データベースのelectric searchにより得られた文献の総数は、2,392件であり、原則として児童・老人・男性への暴力を扱った文献および質的研究を除外することとし、545文献が批判的吟味対象として選択された。これらの批判的吟味の結果、エビデンスを提供する論文として157論文が採択され、28の推奨文を作成した。 ガイドラインは、本研究メンバーが主となり作成し、その後、臨床疫学者、女性支援団体リーダー、サバイバー、セラピスト、DV相談員、医師、助産師、看護師、保健師、弁護士などに外部評価をうけ、修正後完成させた。 ガイドラインは、2004年12月に金原出版から「EBMの手法による周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン」として刊行された。その後、機会あるごとに関連学会やシンポジウムにおいて、本ガイドラインの紹介を行い、広く意見を求めた。半年後にWeb上での公開示予定されている。 また、3年後に改訂を予定しているが、関係各方面への配布とホームページへの公開を通して、医療関係者および一般市民から広く意見を募集し、さらに、モデル病院において試験的に使用してもらい、意見を求める予定である。
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