Research Abstract |
e-healthによる中高齢者の運動継続および生活機能の向上に関して以下の知見を得た. 1)運動継続に関する知見 G1:週2回施設+週3回自宅(ITバイク群),G2:週5回自宅(ITバイク群),G3:週5回自宅(NO-ITバイク群),G4:週5回自宅(ウォーキング群),G5:週2回施設+週3回自宅(ジョーバ群),これら5群における月平均のトレーニング達成度はG1で22.6±7.1日,G2で20.4±8.9日,G3で17,3±10.O日,G4で18.2±9.8日,G5で16.9±11.1日であり,G1が最も高い値を示した.また今期トレーニングを継続できた者の割合は,G1では継続85.7%,脱落14.3%,G2では継続59.1%,脱落40.9%,G3では継続88.2%,脱落11.8%,G4では継続47.1%,脱落52.9%,G5では継続40.0%,脱落60.0%であった.以上のことからG1がトレーニング達成度,継続率ともに高いことが明らかとなった.つまり,ITを利用したe-healthシステムに加え,コミュニティーに出向き,指導者や友人との関わりを持つことが運動を継続する動機付けとなる可能性が示唆された. 2)生活機能の増大に関する知見 トレーニングにより,体重およびBMIにおいて減少し,肥満の改善を認めた.MRI,超音波による筋肉量の計測値は,増加あるいは維持できており,今期のトレーニングにより,高齢者でも筋肉に対してトレーニング効果があったと考えられる.上記の改善は,特に施設でのトレーニングを行った群において顕著であった.また,血液成分では,脂質代謝は改善傾向が認められた. トレーニングを開始したことにより,日常活動量が増加し,生活習慣の改善がみられた. 3)体力・歩行能力におけるトレーニング効果 体力得点および体力年齢を算出した結果,有意な改善がみられた. 以上の結果から,今期のトレーニングにより身体の構造や機能に効果があったことが伺える.しかしながら,改善が見られなかった指標もあり,今後これらについて,詳細な検討を加える必要がある.
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