2004 Fiscal Year Annual Research Report
ITを利用した地域健康増進策としてのe-healthシステムの構築
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14380006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 譜也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70242021)
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Keywords | e-health / 健康増進システム / 高齢化社会 |
Research Abstract |
1)従来の地域における健康増進事業は,どちらかといえば運動施設などのハードを設備し,そこに参加者を募って運動教室を実施する例が多いのが現状であった.しかしながら,この事業の問題点として,1)教室への参加者はどちらかといえば健康であり,意欲の高い方が中心で,逆のパターンの住民はほとんど参加しない.2)住民が健康に対して目覚め,参加を希望すると既存のハードでは対応しきれずにインフラ設備が必要となる.3)仕事等で忙しい住民は教室型の健康増進事業には参加しにくい,などがあげられる.これらを解決し,各自治体がより多くの住民に対して健康増進事業を展開していけるようなシステム構築を行うために,ITを用いた健康増進システム(e-health)の開発を目指した.そのための,実験計画としては,1)e-healthの予備実施の評価とそれに基づくシステムの改善,2)e-healthシステムによるトレーニング実験を実施した. その結果,一般的にITが苦手といわれる中・高齢者300名に対して,3〜1年間にわたるe-healthシステムによる健康増進教室に参加してもらい,その効果や,システムそのものの使用感を確認したところ,全員の体力得点は,有意に向上し,また教室参加の継続率は1年の時点でみても90%以上の高い率であった.さらに,継続者のほぼ全員がe-healthシステムによる,定期的なデータフィードバックなどの支援策が継続に効果的であったことを認めている.また,システムそのものの使用感についても約9割が理解でき,すぐに使えるようになったと答えている. これらの結果より,地域における中・高齢者の健康増進支援策としてのe-healthシステムの有効性が認められたものと考えられる.
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