2004 Fiscal Year Annual Research Report
活断層の形態的特徴を基にした地震モデルの実証的研究
Project/Area Number |
14380032
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中田 高 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60089779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隈元 崇 岡山大学, 理学部, 助教授 (60285096)
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Keywords | 活断層 / directivity effect / セグメンテーション / 断層分岐 / 断層破壊過程 / 強振動予測 |
Research Abstract |
本研究は,活断層の地形学的特徴を基に提示された断層破壊過程を推定する手法を主要活断層と地震断層を対象に実証的に検討し,地震危険度評価と強震動予測手法を確立するものである.このため,分岐形態と横ずれ断層の断層線沿いの縦ずれ分布パターンをもとに,活断層の破壊開始点や一括して活動するセグメントを推定するモデルを日本列島および海外の典型的な活断層や地震断層に適用し検証することを目的とした. 本年度は,大縮尺空中写真(消耗品)を購入し,活断層の詳細データ整備を行う(謝金)とともに,これまでの活断層形態の詳細な検討をもとに,地震時に一括して活動する活断層の範囲を予測するために「形態単位モデル」を提示した.このモデルを昨年度整備した中国地方の活断層の詳細データに適用して起震断層の再検討を行った. このモデルによって,一括して活動する活断層と認定された長者ヶ原断層と芳井断層の不連続部において微細な断層変位地形を発見し,これを実証するためにトレンチ掘削調査を行い,歴史時代の地層を切断する断層を確認した。また,このモデルに従えば,1943年鳥取地震の震源断層は,地震断層が出現した鹿野断層と吉岡断層以外にも鳥取市東部の活断層が関与したと推定されたが,測地学的・地震学的データからこの活断層の地下での活動を含む断層活動によってこの地震が発生したことが裏付けられた.このように,「形態単位モデル」が活断層のセグメント区分に極めて有効であることを明らかにした. さらに,このモデルに基づいてセグメント区分を行った四国中央構造線活断層系を例に,シナリオ地震による特性化震源モデルを複数構築し,シナリオの設定の違いが大規模地震動の合成波形に及ぼす影響を,地震動の時刻歴波形と速度応答スペクトルを用いて評価した. 本年度までの研究成果をアメリカ地球物理学会(外国旅費)および北淡国際活断層シンポジウムにおいて発表し,諸外国の研究者と議論を行った.
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