2004 Fiscal Year Annual Research Report
高地湿原堆積物を用いた最終氷期以降の古環境変遷史の高精度復元
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14380034
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Research Institution | The Museum of Nature and Human Activities, Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 茂弘 兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境評価研究部, 主任研究員 (50301809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕司 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (80254457)
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域機能教育研究センター, 教授 (60183919)
半田 久美子 兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境評価研究部, 主任研究員 (20311483)
八木 剛 兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境評価研究部, 主任研究員 (40311485)
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Keywords | 兵庫県大沼湿原 / 湿原堆積物 / 定方位サンプリング手法 / 詳細古地磁気変動 / テフラ対比 / 珪藻分析 / 最終氷期 |
Research Abstract |
兵庫県大沼湿原で採取された3本の定方位ボーリングコア堆積物について各種の分析を進め、下記のような結果を得た。1)深度3〜17mの湿原堆積物について珪藻分析を行った。深度8〜8.8mの泥炭では珪藻遺骸の含有量は少なかったが、他の層準の堆積物中には珪藻遺骸が豊富に含有された。群集中では、好止水性の付着性種(Gyrosigma属、Pinnularia属など)が優占することから、深度17m以浅の粘土質堆積物は池沼などの浅い止水域で堆積したことが推定された。2)3本の定方位コア堆積物の詳細古地磁気を測定し、古地磁気変動の再検討を行った。その結果、姶良Tn火山灰層準の古地磁気が正確に復元されることから定方位サンプリング手法の適正さが実証された。また深度8〜8.8mの泥炭中に地磁気エクスカーションが見いだされ、エクスカーション層準の泥炭のAMS-^<14>C年代測定結果と合わせて、このエクスカーションが2.8〜3万年前頃のモノレーク・イベントに対比できることが推定された。3)テフラ対比の基準となる大山火山南東麓の模式露頭における大山テフラの詳細な岩石記載的特徴を分析・記載し、第四紀研究にて報告した。4)3本の定方位コア堆積物のテフラ分析を進め、深度約4.7mに新たに火山灰の薄層を発見して、約1.5万年前に降灰した坂手火山灰に対比した。この結果、湿原堆積物中に上位からアカホヤ火山灰、坂手火山灰、大山弥山軽石、大山下のホーキ火山灰、姶良Tn火山灰、大山偽ホーキ火山灰の6層のテフラを確認・同定し、20層準以上のAMS-^<14>C年代測定結果と合わせて、最終氷期後半以降に堆積した湿原堆積物に詳細な時間目盛りを与えることができた。5)これらのテフラ層序や詳細古地磁気変動の検討結果は、2004年日本地理学会秋季大会、第17回(2004年)名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム,2004年度日本電磁気学会にて発表した。
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Research Products
(1 results)