2003 Fiscal Year Annual Research Report
AE法及びレーダ探査による文化財の生物劣化の非破壊診断と保存処理の監視技術
Project/Area Number |
14380049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 義久 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10173402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
簗瀬 佳之 京都大学, 農学研究科, 助手 (00303868)
奥村 正悟 京都大学, 農学研究科, 教授 (40109046)
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究科, 教授 (70151686)
澤田 豊 京都大学, 農学研究科, 助手 (80226076)
吉村 剛 京都大学, 木質化学研究所, 助教授 (40230809)
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Keywords | AEモニタリング / 生物劣化 / レーダ探査 / PEG処理 / 出土木材 / 木質建造物 |
Research Abstract |
歴史的建造物の腐朽および虫害の発生状況を調査した。国宝および重要文化財を含む神杜仏閣など15件について、目視・打診・触診による劣化調査、組織培養など生物学的・化学的手法による診断、軽微な破壊を伴う診断を行い、劣化の発生状況を調査した。その上で、本研究で開発したAEモニタリング、レーダ探査や穿孔抵抗測定装置の劣化診断への適用性を検討し、改良点を抽出した。また建造物の保存修理に先立つ劣化診断の手法を一般するための資料収集や調査を継続して行ってきた。さらに劣化による材料の強度低下の評価方法を検討し、有限要素法を用いた構造解析によって建造物の強度性能や安全性を評価するための手法を検討した。 出土木材の乾燥や保存処理中に発生するAEの検出実験を昨年に引き続いて行い、処理プロセスとAEの消長との関連を検討した乾燥過程やPEG処理の条件変化に伴う材料の状態変化に由来するAEを検出することができた。その再現性を検討中である。また木材乾燥過程における水分移動に関して有限要素法を用いて理論的考察を行った。 以上の研究成果を取りまとめて、関連学会で発表するとともに、学会誌への投稿準備を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 牧野留美, 上野友紀子, 藤井義久, 奥村正悟: "有限要素法を用いた木質床壁小型模型の振動モード解析および衝撃応答解析"森林研究. 75. 35-43 (2003)
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[Publications] Y.Fujiwara, Y.Fujii, Y.Sawada, S.Okumura: "Assessment of wood surface roughness : comparison of tactile roughness and three-dimensional parameters derived using a robust Gaussian regression filter"J.Wood Sci.. 50. 35-40 (2004)
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[Publications] Y.Indrayani, T.Nakayama, Y.Yanase, Y.Fujii, T.Yoshimura, Y.Imamura: "Feesing activities of the dry-wood termite Cryptotermes domesticus (Haviland) under various relative humidity and temperature conditions using acoustic emission monitoring"Jpn.J.Environ, Entmol.Zool.. 14(4). 205-212 (2003)
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[Publications] 藤井義久, 黒田朋未, 高妻洋成, 簗瀬佳之, 奥村正悟, 今村祐嗣: "PEG処理中の出土木材から発生するアコースティック・エミッション(AE)の検出"考古科学の総合的研究 研究成果報告書. 534 (2003)
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[Publications] 藤井義久, 黒田朋未, 高妻洋成, 簗瀬佳之, 奥村正悟: "AE計測による出土木材の保存処理の監視の可能性"日本文化財科学会第20回大会 研究発表要旨集. 64-65 (2003)