Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20112302)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20190085)
川根 深 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 講師 (90234088)
駒田 智彦 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 助手 (30360316)
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Research Abstract |
本研究は大別して,A.音声数式入出力インターフェース開発,B.点字数式入出力インターフェース開発,C.数式ペン入力・数式OCRとそれを組み込んだ数学教育用エディタ開発の3つの部分からなる。本年度はそれぞれについて,次のような研究を行った。 A.では,昨年度に数式エディター"Infty Editor"日本語版の音声化をほぼ完了したが,今度はその英語版について,英語による数学記号・構文の読みを定義し,それに基づく音声化を行った。さらにCグループが開発した数式OCRを音声ガイドに従って操作するためのユーティリティーも併せて製作した。国際会議(パリ大学)や欧州における視覚障害学生高等教育支援の拠点大学(カールスルーエ大学・リンツ大学など)でこれらの研究成果を報告し,今後共同で研究開発を勧める計画について協議した。 B.については,Unicodeに点字記号を割り付けることにより,点字記号を世界的に統一する方法論を確立し,この方法論に基づき,統一日本語点字記号第2版の開発を行った。この研究成果は,トロントで開かれた国際英語点字協議会第3回大会で発表した。また,同大会で統一英語点字記号(UEBC)が国際的標準英語点字記号として採択されたことを受けて,UEBCの報告書最新改訂版の翻訳を手がけた。 C.では昨年度に続き,文字ラティス法を数式領域でも適用可能な形で拡張することにより,数式中の接触文字や分離文字の認識精度を上げる等,全体の認識率向上に関する研究を行った。また,昨年度から継続している数学論文の大規模な正解コード付きデータベースの拡充・整備を進め,そこから文字,記号,単語,数式の正解コード付き画像データベースを抽出して公開データベースを作成した。さらに今年度はグラフ曲線を印刷文書から抽出し,どのような曲線かを認識する研究も行った。 Infty Editorに関しては,LaTeX形式の入出力とMathML出力の品質の向上を行うとともに,カールスルーエ大学で用いている晴眼者・視覚障害者両用の数式記述形式"AMS"による出力の整備も行った。
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