2002 Fiscal Year Annual Research Report
雪氷現象のビジュアルシミュレーション法に関する研究
Project/Area Number |
14380129
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
村岡 一信 東北工業大学, 通信工学科, 教授 (30219878)
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Keywords | 雪氷 / ビジュアルシミュレーション / 景観シミュレーション / 冬季景観 / 積雪形状 |
Research Abstract |
本研究課題では,冬季のリアルな自然景観シミュレーションを実現するための雪氷現象の表現法の開発を目的としている.本年度は,積雪表面の形状変形法,積雪表面現象の表現法について開発を行った. ・積雪表面の形状変形法について:積雪表面を物体が移動したことによる跡(足跡,タイヤ痕など)を表現するための,"外力による積雪形状変形法"のデータ構造をハイトフィールドからボクセルへ拡張し,雪の変形ルールを拡張して,平らな積雪面だけでなく,より複雑な形状の積雪に対しても足跡やタイヤ痕などの表現を可能とした.本手法は,木下式硬度計による硬度を雪の性質のパラメタとして用い,新雪や粗目雪など,雪質の異なる雪の変形の違いも表現することができる. ・積雪表面現象の表現法について:積雪表面現象には熱によるものと風によるものとがある.熱による現象としてスノーペニテントと雪えくぼについて,風によるものとしてスカブラの表現法について検討を行った.熱による現象の表現には,膨大な計算時間を要する積雪内の熱伝搬シミュレーションを避け,より高速な,積雪表面を直接操作するアプローチを採用した.スノーペニテントについては,積雪表面に対して楕円状の除雪オペレータを適用する手法を開発し,また,雪えくぼについては,積雪表面上をポアソン・ディスク・サンプリングし,サンプリング点にガウス分布を持つ除雪オペレータを適用する手法を開発した.それぞれ,スノーペニテント,および,雪えくぼ状の形状生成が可能であることを確認した.スカブラについては,積雪表面の雪粒の移動をシミュレーションする手法を開発し,形状生成が可能であることを確認した.計算時間と形状のコントロールにやや問題があるため,さらに改良が必要である.
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